9月に入り秋めいてきて、もうすぐ秋の行楽シーズンですね。この時期おすすめしたいスポットが、東京都三鷹市にある国立三鷹天文台です。日本の天文学のナショナルセンターとして有名な場所ですが、実は一般公開されているエリアもあり、歴史ある建物や天文学のことを学べるスポットになっています。
天文学が学べる!「国立天文台 三鷹キャンパス」へ
9月に入り、日が傾く時間が早くなると共に、朝、夕には冷え込みを感じる日も増えてきて、日中でも過ごしやすいと思える暖かさの日も増えてきたように思えます。そんな過ごしやすい夏の終わりに、のんびりとした新緑の中で日本の天体観測の歴史を学んでみようと思い、国立天文台の本部、三鷹キャンパスに足を運んでみました。
国立天文台とは、世界最先端の観測施設を擁する日本の天文学のナショナルセンターであり、大学やその他研究機関における共働研究や、国際協力のための窓口として、天文学発展のために活躍している施設です。三鷹キャンパスは、単に、“三鷹天文台”などと称され、2000年頃からは、一部施設の常時公開が開始され、日本を始めとした天体観測の歴史と最新技術の両方を気軽に学ぶ事ができるようになっているのです。
三鷹キャンパスの本館は、1916年(大正5年)に起工された施設で、その頃に建てられた建物や施設が現存しているのも、見所の1つですね。重厚な門を抜けて警備棟で受付を済ませると、見学用のパンフレットと、見学者用のビジターシールが貰えます。シールは見学の際、目立つところに貼っておきましょう。
見学可能なルートには、地面に“見学コース”という道標があり、迷う事が無いように工夫されています。見学コースの回り方については決まりはないようですが、門を抜けてから左周りに回って行くのが、見やすいルートだと思います。
見学コースには、建物の内部に入って見学できる施設と、建物入口から内部の展示品を見学できる施設などがあります。そのうち、第一赤道儀室と天文台歴史館には、係員の方がいらっしゃるので、主体とされる見学施設は、この2つなのかもしれません。
左回りルートでは、最初に見えてくるのが、第一赤道儀室です。第一赤道儀室は、1921年(大正10年)に建てられたもので、三鷹キャンパスに残る最も古い建物であり、国の有形文化財として登録されています。内部に設置された屈折望遠鏡は、重錘時計駆動赤道儀という、重力により錘が落ちる力を利用して歯車を回転させ、望遠鏡の向きを変えて行く機械式の赤道儀に設置されています。
最初に望遠鏡を太陽の向きに合わせ、錘を巻き上げておくことで、望遠鏡は、自動で太陽の動きを追うように向きを変えていきます。一方で、赤道儀室の屋根に設けられたスリット(開口部)は、望遠鏡の動きに連動していないため、手動で動かす必要があります。直径6mの屋根が手回しのハンドルで動くというのは、見ていてなんだか不思議な感じがしました。