【台湾環島】台湾を自転車で一周中に、勇気づけられた台湾人の一言【第2回】

3.11や熊本地震で200億円を超える義援金を贈ってくれた台湾の方々へ、日本人として直接お礼の言葉を伝えるため、感謝の気持ちをあらわす言葉をプリントした布をまとって自転車で台湾本島一周「環島」の旅をスタートした大石樹(おおいし・たつき)さん。

道に迷いながらも、最初の目的地「三峡(さんきょう)」の街に到着し、野宿する公園を見つけたまでは良かったのですが……。はたして、台湾を無事に一周し、感謝の言葉を伝えることはできるのでしょうか?

『ありがとう台湾』自転車で台湾「環島(かんとう)」の旅 第二回

【第一回】台湾を自転車で一周できるのか? 愛と優しさに包まれる「環島」の旅、スタート

どうも、大石樹です。

環島2日目の清々しい朝は、公園のベンチというベッドの上で迎えました。朝の公園に集まった台湾の方々の「イー、アー、サン、スー!」というラジオ体操の声が目覚まし代わり。ちなみに時刻は朝6時です。

昨晩は、台北市内にある「二二八和平公園」から25kmほど先にある「三峡」という街の「長福公園」に宿泊。屋外だから当たり前ですが、とにかく蚊が多くて一晩で20箇所ほど刺されました。朝起きると目元まで刺されて、マブタまで腫れています。ちなみに今日の天気も「晴れ」。

長福公園のベンチから起き上がって身体の節ぶしを触りましたが、まだ筋肉痛はありません。今回、台湾をたった25km走っただけでわかったことは、日中とても暑いのに対して、夜は少し肌寒いということ。

夜用の防寒着なんて持参しなかったので、このまま寝袋で泊まり続けると風邪を引いてしまうかもしれません。昨晩は寒さのせいか、なかなか眠れませんでした。

復興路という大通りを左に進むと三峡老街。直進すれば次の目的地、桃園市方面へ

三峡は、新北市と桃園市の境あたりにある、小さいけど歴史を感じさせる街。この町の名物は、牛の角のような「クロワッサン」です。厳密にはクロワッサンのようなデニッシュ生地ではなく、表面がカリッとしたパン生地で、形が牛の角を模していることから「台湾クロワッサン」「牛角パン」などと呼ばれています。


牛角パンを模した看板。三峡老街の周辺には牛角パンを売る店がそこかしこにある image by: Jung Hsuan / Shutterstock.com

ここに来たらハズせない観光スポットが「三峡老街」。この「老街(ラオジエ)」とは古い街並みを残す通りのことで、三峡老街は日本が台湾を統治していた大正時代に建てられた赤レンガの商店建築が連なる、美しくレトロな街並みが特徴です。

三峡は樟脳や布製品で財を成した商人の街。洋風の街並みから当時の隆盛ぶりが伝わってくる image by: Jesse33 / Shutterstock.com

この三峡老街の周辺には、名物の台湾クロワッサンこと牛角パンを売る店がそこかしこにあります。プレーンを基本に、メロンパン風味チョコ味イチゴ味抹茶味ゴマ入りイカスミ入りなど、さまざまな味や色の牛角パンが売られているので、見ているだけでも楽しめるそうです。

image by: Jesse33 / Shutterstock.com

ひとつくらい僕も食べてみたかったのですが、マブタや全身を蚊に刺されまくったことで、体力があるうちに早く先へ進まないと大変だと思いはじめていたので、パンどころではありませんでした。

もし、この街が気になった方はぜひ、自転車ではなく電車とタクシーを組み合わせて訪れてみてください。ちなみに最寄りの鶯歌駅近くは「陶器が安く買える街」として有名です。陶器古い街並み牛角パン、併せて楽しんでみてはいかがでしょうか。

今回、台中市をめざす途中で、新竹市という街を中継ポイントに設定していましたが、その新竹市にたどりつくまでに何度か道を間違えてしまい、本当にゴールなんてできるのだろうかと不安になりました。

さらに、いきなり曇り空になったりスコールのような雨が降るとも聞いていたので、天候にも気をつけながら走行しなければなりません。盆地の坂道を登っている時にスコールに見舞われるほど厄介なこともないので、今後は次の街までの距離をその都度マップで調べながら進むことにしました。

そうこうしてる間にお腹が空いてきました。桃園市内を走ってる途中に立ち寄った食堂で、ちょっとした台湾グルメを堪能することに。

スポーツドリンクと鶏肉飯。台湾は小さな食堂であれば飲み物の持ち込みが可能

言葉もわからないので適当に頼んでみたところ、ほぐされた蒸し鶏がご飯の上に載っていて、少しだけタレがかかっているものが出て来ました。日本では見たことがないご飯でしたが、シンプルで美味しい。

これは、のちに台湾南部の嘉義県という土地の名物料理鶏肉飯(ジーローファン)」というご飯であることがわかりました。小さなお椀で1杯35元(約130円)。お腹が満たされたことで、少し気持ちが楽になったような気がします。

前回の記事でもお伝えした通り、野宿公園のベンチや遊具の下で寝袋に入って眠ることにしています。しかし、3月の台湾は蚊がとても多いのです。この時期に日本で蚊が大量発生することはめったにないと思いますが、台湾ではものすごい数の蚊が寝込みを襲ってきました。

やっと眠りについたかと思うと、すぐ蚊の飛ぶ音やかゆみで目が覚めてしまいます。またウトウトしはじめると、すぐにブーン。かゆい、かゆい、かゆい……ああ、もう我慢の限界!!

今回、台湾で野宿をするときは「必ず蚊取り線香を日本から持参する」ということを学びました。しかし、また翌日の早朝、今度は蚊ではなく別のことで飛び起きることになろうとは、このときまだ知るよしも無かったのです。(つづく)

次回予告「タピオカミルクティーと言えない秘密」

本日の走行距離:三峡〜新竹市 68km(台湾一周まであと907km)

協力:GIANT一青妙「台湾環島日記」

※今回、大石さんが台湾一周に使用している自転車は、台湾の大手自転車メーカー「GIANT(ジャイアント)」の全面的なご協力をいただいています。

  • image by:大石樹
  • ※掲載時の情報です。内容は変更になる可能性があります。
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