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季節を食べる。県内外から若者が殺到する「ハンモックカフェ アマカ」

坂本 正敬
坂本 正敬
2019/01/06

人生の中でどこかのカフェに、1年で81回通い詰めた経験はありますか?平均にならせば、4~5日に1回のペースになります。

例えばコーヒーチェーン店になら「ある」と答える人も居るかもしれませんが、個人経営のカフェとなると経験者の数はぐっと減るはず。

今回の記事で紹介するお店は、まさに年81回も通い詰める熱心な常連が存在する、富山県の人気カフェ「hammock cafe Amaca(ハンモックカフェ アマカ)」です。

特に同店の「季節を食べる」をコンセプトにしたパフェは連日、県内外の若者が列をなしてまで食べたいと陸続と殺到する人気ぶり。そこで今回は人気の秘密を探るべく、北陸在住の筆者が同店に足を運んできました。

お店を目掛けて遊びに来てくれる人たちへのおもてなしを極めたい

image by:柴佳安

「hammock cafe Amaca」の立地は、富山県の東部にある滑川市瀬羽町です。県庁所在地ではなく、どちらかと言えば県内でも、どこか寂しい印象が正直ぬぐえない県東部です。

そんな旧宿場町の1つである滑川市瀬羽町を意図して出店先に選び、大成功を収めたのがオーナー・坂上翔太さん

筆者が坂上さんを訪ねた取材日は、日の入りがだいぶ早くなった2018年11月の雨降りの日没後。周囲は完全に暗く、人通りもほとんど見られませんでした。

しかし、お店に近づくと雰囲気は一変、モノコック的で堅牢な印象のある外壁に切り取られた木製サッシのガラス扉からは、店内の明かりが通りに漏れています。筆者が扉に手を掛けようとすると、入れ違いに常連客風の男女が「ごちそうさま」と笑顔で店を後にしていきました。

冷たい雨が降る平日の午後6時(閉店時刻)にもかかわらず、店内にはまだ人のにぎわいがあります。坂上さんも営業終了間際の疲れを表情に一切見せず、充実した笑顔で来店者たちを送り出していました。

(右)オーナーの坂上翔太さん (左)取材時に偶然来店していた建築士の西出雅史さん。同店の設計を担当。(筆者撮影)

聞けば、坂上さんは富山に隣接した石川県の出身で、実業団でテニスプレイヤーとして社会人生活をスタートさせたユニークな経歴を持ちます。

所属企業を退職後は、東京や神奈川でバー、海の家など各種の飲食業を経験。関東在住時代の休日は徹底して東京・下北沢などのカフェを巡っていたそうで、坂上さんいわく「カフェを楽しんできたという自信は誰にも負けない」と言います。

その「下積み」を経て、富山移住後の2017年11月に、妻の梨菜子さんと「hammock cafe Amaca」を坂上さんは誕生させました。

富山でお店を出すとなれば、「普通」なら県内最大のターミナルである富山駅周辺や富山市の商業地区を選ぶはず。その点を聞いてみると、

「確かにその通りで、将来的には富山駅の近くや、金沢駅の近くなどに出店できればと考えています。ですが、hammock cafe Amacaは自分にとって初めてのお店です。たまたま通りかかった通行人がふらっと入ってきてくれるような立地だと、自分の実力のなさを忘れて、自分の集客力を勘違いしてしまうと思いました」

との言葉がありました。だからこそ最初の出店場所は特に、人が簡単に来られないような立地をあえて希望したのだとか。

もちろん、滑川市瀬羽町をピンポイントで選んだ訳は、同店シェフで妻の梨菜子さんが同市の出身者で、お店の近所にある高校を卒業したという理由もあったと言います。また、海浜にある旧宿場町の雰囲気が坂上さんの故郷に似ていたという理由も大きくあるとか。

しかし一方で、神奈川県の江の島にある海の家で勤務した経験から、何かのついでにふらっと立ち寄るお客さまではなく、わざわざお店を目掛けて遊びに来てくださるお客さまへのおもてなしを極めたい。さらには最初の出店だからこそ、しっかり汗をかきたい」と願ったゆえの出店先なのです。

翻訳家/ライター。1979年東京生まれ、埼玉育ち、富山県在住。成城大学文芸学部芸術学科卒。国内外の紙媒体、WEB媒体に日本語と英語で執筆する。 主な訳書に『クールジャパン一般常識』(クールジャパン講師会)。

季節を食べる。県内外から若者が殺到する「ハンモックカフェ アマカ」
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