外国人がわざわざ訪れる、長野県「白馬」が注目を集める理由


白馬は大都市からのアクセスの良さも魅力的

白馬 image by: Shutterstock.com

大都市からのアクセスの良さ、継続したプロモーション活動も、白馬人気を支える大きな要因となっています。上述したオーストラリア人の知人は東京から高速バスで白馬に入ったと言います。白馬は長野県ですから、東京からのアクセスが容易ですよね。

白馬には白馬八方バスターミナルがあり、高速バスが新宿、東京駅、京都、大阪、成田空港、羽田空港との間を走っています。特急バスは県内の長野駅、松本駅と結ばれていて、例えばバスタ新宿と白馬八方バスターミナルは片道5時間ほどの移動で済みます。

バスタ新宿(東京都)

大都市からのアクセスだけでなく、白馬村内での移動手段も近年は充実してきています。HAKUBA VALLEYの各スキー場を結ぶシャトルバスはもちろん、夕食を宿ではなく外で楽しみたいというオーストラリア人旅行者のニーズに合わせて、宿泊エリアと飲食エリアを結ぶナイトシャトルバスも走っています。

一方で海外へのプロモーションも積極的に継続しています。白馬村の資料によると、2001年にインバウンド推進協議会を設立したところから海外向けのプロモーションが本格的に始まったとかで、2004年には国からの誘いで「ビジット・ジャパン・キャンペーン」にも参画しています。

シドニーとメルボルンで開催されるスノーエキスポにも出店し、オーストラリアの旅行代理店にも営業活動を行うなどして、認知度を高めていったのだとか。

さらに、こうした地道な活動をトリップアドバイザーやブッキングドットコムなどの口コミが後押しして、今の活況につながっているのですね。

白馬に移住した外国人によるおしゃれなカフェなども続々

白馬(長野)image by: Shutterstock.com

白馬は基本的に冬のリゾート地ですが、2018年にはフランス発の体験型アトラクション『Xtrem Aventures(エクストリーム・アベンチャーズ)』がオープンしたように、夏のグリーンツーリズムもこのところ充実してきています。

『Xtrem Aventures』image by: PR TIMES

もともと白馬岳の登山など、白馬村は山岳部を中心に、夏は登山・トレッキングでも人気でした。ネパールから一時期、白馬岳の山小屋で働くためにアルバイトに来ていたシェルパ族の友人が筆者にはいますが、白馬岳はヒマラヤ山脈にも負けない格別の美しさがあると言います。

そうした美しいフィールドを活用して、白馬村では通年観光を目指す動きが活発化しています。マウンテンバイクのコースはどんどん新設されていますし、青木湖での水上アクティビティが楽しめたり、長野オリンピックにも使われたジャンプ台の上をパラグライダーで飛行できたりと、夏の楽しみは増えています。

白馬ジャンプ競技場 image by: 江戸村のとくぞう [CC BY-SA 4.0], via Wikimedia Commons

こうした民間の動きと連動して、白馬村では国土交通省の観光ルネサンス補助事業などを活用し、循環シャトルバスを走らせたり、廃屋や古民家を活用して住民と外国人旅行者の交流拠点を作ったりと、自治体もさまざまな努力を行っています。

各方面の努力がプラスの循環を生んだ結果、白馬に移住する外国人も目立つようになりました。移住した外国人がオープンするカフェや宿泊施設も生まれ、町並みはどんどんインターナショナルなリゾート地といった感じに変ぼうしてきています。

ニセコは遠いけど白馬なら近いという人は、少なくないと思います。国際的なマウンテンリゾート地へと変ぼうを遂げつつある白馬の魅力を、スノーシーズンの今こそ確かめに出かけてみてはどうでしょうか?白馬岳の稜線が日の出の時間に朝日で赤く染まる時間帯の眺めも、忘れずにチェックしてみてくださいね。

※掲載時の情報です。内容は変更になる可能性があります。

image by: Shutterstock.com(白馬)

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