四季折々の美しい景色が広がる日本。春には淡いピンクの桜、夏には爽やかな緑、秋には燃えるような紅葉、冬はすべてを包み込む白銀と、カラフルな色合いを楽しむことができます。
そしてそんな色鮮やかな日本の絶景のなかでも、自然の神秘ともいえる「ブルー」で人々を魅了しているのが、北海道上川郡美瑛町白金の美瑛の「青い池」です。
今回はこの深く、そして澄み切ったブルーが美しい青い池の魅力をご紹介します。
※本記事は現段階でのお出かけを推奨するものではありません。新型コロナウィルスの国内情報および各施設などの公式発表をご確認ください。
コバルトブルーの美瑛「青い池」
いまや富良野・美瑛エリアを代表する人気スポットとなった「青い池」は、1988年に噴火した十勝岳の火山泥流災害を防止するために、美瑛川に作られた堰堤(えんてい)です。
同所が一躍有名になったきっかけといえば、写真家・ケント白石氏が撮影した、白銀に澄み切ったブルーが映える冬を切り取った一枚です。これをアップル社がiOSの壁紙に採用し、日本のみならず海外からも評価されました。
そのため、JR富良野線「美瑛」駅からバスで約20分、さらに「白金青い池入口」下車徒歩約10分とアクセスが良いとはいえない場所でありながら、現在ではツアーバスが立ち寄るほどの観光地となったのです。
青い池の水面には無数のカラマツや白樺が立ち枯れており、その時々によってコバルトブルーやエメラルドグリーンなどさまざまな色合いに変化します。
無風時は水面が静まりかえり、心の奥底まで映し出しそうな不思議な鏡のように見えます。そんな神秘的な雰囲気もあり、青い池と周辺の森とが奏でるハーモニーは、パワースポットとしても人気を集めているのです。
なぜ「青い池」はこんなにも「青い」のか?
ただの堰堤のはずの青い池が、なぜこのような特別な色合いを作り上げているのでしょうか?美瑛川を辿ってみてみると、すぐそばにある白金温泉上流、十勝岳が水源だとわかります。
そこから自然を駆け抜けた地下水にアルミニウム成分が含まれ、その水が日光を反射するために青く見えるんだとか。
つまり青い池が青く見えるには、日光の入射角度が重要です。さらにいうと、青い池の魅力をカメラに十分に収めるためには、日光の位置が関係してくる「時間帯」や「季節」が最重要ポイントになるのです。
絶景を見るためのベスト季節・時間帯とは
秋には紅葉が、冬には白銀がそれぞれ美しい青い池なので、どの季節に訪れても心打つ絶景を見せてくれます。でも、青さのヒミツが「日光」であるために、あたりが暗くなったり太陽の角度がうまくハマらなければ、「青い池」なのに「あんまり青くない!」なんてこともあり得ます。
せっかくの北海道旅行でタイミングを逸して「ブルー」を見逃してしまった…なんてことをできるだけ避けたい場合、逆光を味方につけて撮影できるなら初夏・初秋の早朝を、無理せず絶景を楽しんで撮影するのなら午後イチの時間帯をおすすめします。
池のすぐ近くには第一、第二駐車場があり、特に夏季は非常に混み合います。でも、この第二駐車場が意外にも穴場なのです。第一駐車場と比べると池までは少し歩きますが、撮影にもおすすめのベストポイントは池の最奥なので、それぞれ駐車場からの距離はそんなに変わりません。
なお、初夏の北海道だと池に薄く氷が張ることもあるので、気温のチェックも重要ですね。またスマホなどで気軽に撮影するのであれば、太陽が高く上昇し逆光が比較的少ないお昼ごろが良いかもしれません。
秋から冬になれば混雑もかなり緩和されますが、北海道はあっという間に日が落ちてしまいます。影が入った青い池もそれはそれでグッとくる光景ですが、ここぞの一枚を撮影したい場合は天候と交通手段をしっかり調べた上で訪れましょう。
また冬の夜には、雪が降り積もった凍った水面のライトアップを行っています。その美しさは、冬の北海道ならではの神秘的な光景です。
青い池には最寄りバス停「白金青い池入口」があるため、公共交通機関でも訪れることはできますが、運行本数はかなり少なめ。やはりできるだけレンタカーを使うか、複数の旅行会社やバス会社が企画・運行しているツアーを使うのもおすすめです。時期によっては札幌発のバスツアーもありますよ。
また美瑛には民宿やペンションが多数あり、温泉もそろっているので、周辺に宿泊して「四季彩の丘」「白ひげの滝」とあわせて訪れるのもいいですね。
一生に一度は見ておきたい、どこまでも青い神秘的な「青い池」へ、ぜひ訪れてみてはいかがでしょうか。
- 青い池
- 北海道上川郡美瑛町白金
- 美瑛/バス:白金青い池入口