覚えてますか?昨年(2018年)の猛暑。日本各地で40度超えが続発し、30度が涼しいとさえ感じられる異常事態となりました。はたして2019年はどうなるでしょうか?
しかし、そんな暑さのなかでも、比較的涼しく逃げ場ともなりそうな場所が各地の「風穴」です。風穴は洞窟の一形態で、洞窟の内と外の気温や気圧の差によって、開口部、出入口に風が生じているものをさします。
今回は令和最初の夏を乗り越えるために、日本各地の涼しい「風穴」の情報をお伝えします。夏におでかけするなら、涼しいポイントは外せませんよ。
目次
駒門風穴/静岡県
静岡県御殿場市にある「駒門風穴」は、知名度はそこまでありませんが、スケールはかなりのもので、まさに穴場といえる風穴です。
富士山は古から活動を続ける火山であり、樹海やその近辺に溶岩で作られた洞穴が数多くありますが、駒門風穴もそのひとつです。
本穴と枝穴を合わせた総延長は409mにも達します。内部では溶岩鍾乳石が天井から垂れ下がり、足下や壁には肋骨状溶岩や溶岩流跡を見ることができますよ。
入口(開口部)を入ると天井の高い大きな空間が現れ、そこから徐々に暗い穴に向かって進んでいき、また光に導かれるように戻ってきます。
平均温度は13度で、十分にひんやり。風穴の入り口には神社があり、洞穴自体もパワースポットとして近年人気を集めています。
富岳風穴/山梨県
富士山の裾野の北西部にあるのが有名な青木ヶ原樹海。この樹海に現れるのが「富岳風穴」です。
静岡県の駒門風穴と同じく、溶岩性の風穴であり、現在は国の天然記念物にも指定されています。開口部から平均3度といわれる洞穴内に入ると、真夏でもひんやり。
洞窟は奥に向かって緩やかに下っており、総延長20m、もっとも高いところで8.7m、入り口に近い箇所は低くなっていますが、平均高さも5mを超えています。
周遊コースが整備されており、約15分でぐるりとめぐることができますよ。
鳴沢氷穴/山梨県
「富岳風穴」から東へ1kmほどに位置するのが「鳴沢氷穴」です。この風穴は864年の富士山の噴火でできたとされています。
周遊コースは総延長150mのリング構造で、15分ほどでぐるりと一周できます。ただ、富岳風穴とことなり、地下方向への傾斜がきついため、見学時には注意が必要です。
洞穴内の気温は0度となることもあり、富岳風穴よりもひんやりとしています。夏場でも羽織るものが必要ですね。
コースの一番奥まったところには高いもので3mを超える氷柱があり、青い光を放つ氷の森という幻想的な風景を目にすることができますよ。
また、氷の壁で囲まれたかつての食料貯蔵庫も残されています。
河内風穴/滋賀県
近畿エリアの代表的な風穴が「河内風穴」です。琵琶湖の東にある霊仙山のカルスト地帯にあります。
スケールは富士山周辺の洞穴よりも小さいですが、細かな枝穴も多く、足元も起伏に富んでおり、「洞窟探検」感を得ることができます。洞穴内の温度は年間を通じて、12~13度ほどです。
風穴までの行き帰りは急斜面を上り下りする必要がありますが、近くには川があり、そこを渡る風と水音が夏場のほてった体を癒してくれますよ。
秋芳洞/山口県
山口県秋吉台の地下100mに、総延長8.9kmという桁違いのスケールで縦横に走る洞窟が「秋芳洞」です。
見学できるのは1kmほどですが、地面から天井にまで達する15m超の鍾乳石の柱の連なり、石灰でできた無数の皿を並べたような「百枚皿」と呼ばれる風景は、外界では決して見ることのできない美しさです。
さらに洞内には水が流れており、吸い込まれそうなブルーの水をたたえた池があるなど、RPGの洞窟のようなファンタジーな魅力が詰め込まれていますよ。
今回紹介した風穴は、ひんやりとした空気のなかで不思議な光景をみることができ、しばし外界を忘れることができます。ストレス解消、ヒーリングにも効果が期待できそうですね。
ただし、どこも自然のなかにあるため傾斜がきつかったり、段差があったり、滑りやすくなっているため、スニーカーやアウトドア用シューズなど、足元を固めて出かけられることをおすすめします。
- image by:Faer Out/Shutterstock.com(秋芳洞/山口県)
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