時の流れを超えて。美しき日本全国の「廃線跡」でノスタルジックな旅を

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日常生活でとても便利な電車ですが、旅に出るとなぜかレトロで古き良き「鉄道」が恋しくなるときがあります。とくに地方の路線は、見慣れない景色を楽しみながらゆったりとした時間を過ごせるのが魅力ですよね。

もちろん現行の電車・鉄道でも自分だけの旅を楽しめますが、いまは運行していない日本全国の「廃線」となれば、気分はさらに盛り上がること間違いなし。きっと時の流れを超えて、新しい旅の魅力に気がつくのではないでしょうか。

※本記事は新型コロナウイルス感染拡大時のお出かけを推奨するものではありません。新型コロナウイルスの国内・各都道府県情報および各施設の公式情報を必ずご確認ください。

手宮線/北海道

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小樽・手宮と札幌を結んでおり、1880年に開通し、1985年に廃線となりました。物資輸送の幹線でしたが、トラック輸送の発達で役目を終えた線路です。

現在でも線路が保存されていますので、その上に乗って歩くという旅人気分になれるところがミソ。途中には手宮線の駅だった色内駅のホームが、終点には鉄道関連の展示が充実した小樽市総合博物館がありますので、鉄道ロマン満載のスポットです。

  • 手宮線跡
  • 北海道小樽市色内2丁目11-7

士幌線/北海道

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帯広駅と十勝三股駅を結ぶ鉄道で、1925年に開通しました。それから時が経ち、1987年に廃線に。橋の多いことが特徴で、なかでも見どころは「タウシュベツ川橋梁」です。

長さは約130m、11連のアーチを持つコンクリートアーチ橋は、展望台から見ることしかできませんが、その美しさは折り紙つき。その年によって変化はありますが、ダムの水が少ない例年1月ごろから湖面に現れ、水位が上昇する6月ごろから沈み始めます。

標津線/北海道

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1989年に廃線になりました。標茶駅と根室標津駅を結ぶ路線と、その路線の中間の中標津駅から厚床駅を結ぶ路線で構成されていましたが、おすすめは厚床駅のひとつ手前の「奥行臼駅跡」。

駅舎とホームが昭和初めの開業当時のまま保存されています。また根室標津駅跡も駅舎はありませんが転車台は残っており、これもおすすめです。


ふるさと銀河線/北海道

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以前、北海道の池田町と北見市の間を走っていた「北海道ちほく高原鉄道ふるさと銀河線」。その後、池北線(ちほくせん)が引き継ぎましたが、2006年に廃止されました。


中間地点あたりにある置戸(おけと)町は人口3000人ほどの小さな町で、町の中央付近にある「置戸駅舎」はとても立派な建物。現在では駅舎としての役目は果たしていませんが、魅力ある廃線の駅舎として人気を集めています。

  • 標津線 奥行臼駅跡
  • 北海道野付郡別海町奥行

大日影トンネル遊歩道/山梨県

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1903年から1997年まで、JR中央本線下り線のトンネルで、遊歩道として整備されました。水路、待機所、鉄道標識が当時のまま残されているのが特徴です。

壁や天井には蒸気機関車が走っていたころのススもついています。雰囲気満点のスポットですが、残念ながら現在は漏水や経年劣化のため一時閉鎖中です(2022年12月26日時点)。

  • 大日影トンネル遊歩道
  • 山梨県甲州市勝沼町菱山3677
  • 公式サイト

大仏鉄道/奈良県・京都府

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現在のJR加茂駅とJR奈良駅を結ぶ路線で、1898年開業し、1907年廃線になりました。たった9年だけの営業だったため「幻の鉄道」といわれています。

線路は残っていませんがハイキングコースになっており、当時のままの姿で残っている橋脚や隧道を見られます。また奈良駅の手前にあった大仏駅の跡地が公園になっており、動輪のモニュメントも。

旧福知山線跡/兵庫県

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1986年に廃線となりましたが、2016年に生瀬駅から西宮名塩駅・武田尾駅までの約4.7kmがハイキングコースとして開放されました。

武庫川渓谷の桜や紅葉、それに鉄道があったころとほとんど同じ形の橋やトンネルを楽しめます。トンネルの中には照明がありませんので、懐中電灯の用意を忘れないように。

  • 旧福知山線跡 (ハイキングコース)
  • 兵庫県西宮市塩瀬町
  • 公式サイト

三江線/広島県・島根県

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広島県と島根県の山間部を走るJR三江線。三次駅(広島県三次市)と江津駅(島根県江津市)を結ぶ全長108.1kmのローカル線で、ファンにはおなじみでしたが、残念ながら2018年に廃線となりました。

当時の所要時間は3時間超、35駅を数えます。中国地方最大の川「江の川」とほぼ平行して運行され、川沿いの美しい風景に心癒される路線でした。

線路が残っていてもいなくても、「廃線」にはどこか哀しさがあります。もう二度と列車は走らない。しかしその哀しさが、現在という時の大切さを教えてくれます。廃線という過去を見て、現在そして未来の鉄道を楽しんでいきたいですね。

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