悲しみの歴史を超えて。美しく生まれ変わった「コソボ」旅の基本

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東ヨーロッパのバルカン半島の内陸に位置する「コソボ共和国」。 コソボというと紛争、貧困、危険、難民、空爆などあまりよいイメージはないかもしれません。かつては独立を巡って激しい内戦が繰り広げられ、街は焦土を化しました。

しかしそれは過去の話。2008年の独立以降、コソボは急激な発展を遂げています。まだまだ危険な負の印象が付きまとうコソボですが、実は多くの魅力的な観光資源もある観光新興国なのです。

今回は、そんなコソボを旅行する上で欠かせない情報を盛りだくさんでご紹介していきます。

コソボって一体どんな国?

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2008年に独立を宣言したコソボ共和国は、ヨーロッパで最も若い国です。人口は約180万人で、日本の岐阜県ほどの面積の小さな国。周辺はセルビア、モンテネグロ、マケドニア、アルバニアと国境を接している内陸国です。

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現在は首都プリシュティナを中心に復興が進んでおり、この国の持つ豊かな文化遺産と自然に、近年多くの人々が惹きつけられています。

街にはオスマントルコ時代に建てられたイスラム建築や、ローマ帝国時代の修道院、セルビア正教会の修道院など、さまざまな建築文化が残っており、この国の複雑かつ重層的な歴史を物語っています。訪れる人々に「民族とは何か」を問いかけてくる非常におもしろい場所です。

日本からは約16時間の空路でアクセス

2019年9月時点で、日本からコソボへの直行便はありません。コソボ唯一の国際空港であるプリシュティナ国際空港へは、トルコやヨーロッパの各主要空港を乗り継いで行くことになります。所要時間は約16時間。

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陸路の場合は、周辺国から国際バスが出ているほか、セルビアやマケドニアからは列車で行くことができます。観光目的であれば90日以内の滞在でビザは不要。日本との時差はマイナス7時間ほどです。

コソボの気候は北部・南部で異なるので注意!

コソボは北部南部で気候が少し異なります。北部は夏は暑く、冬は非常に寒いなど、年間を通じて寒暖差が大きいのが特徴です。一方南部は夏は乾燥し、冬は大量の雪が降ります。


また降水量は日本と比べると非常に少ないです。観光のベストシーズンは暖かくなる5~9月。寒暖差が大きいので、昼間は半袖でも過ごせますが、朝と夜は涼しくなるので長袖が必要になる場合もあります。


使われている通貨はユーロ

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コソボは欧州連合(EU)の加盟国ではありませんが、通貨単位はユーロ、補助通貨単位はセントを採用しています。しかし、正式な加盟国ではないので、国独自のデザインが施された通貨はありません。

民族構成、宗教、使用言語について

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元はセルビア国内のアルバニア系住民の自治州であったことから、アルバニア人が90%以上を占めます。ほかにはセルビア人、トルコ人が少数派として存在します。また宗教はアルバニア人とトルコ人がイスラム教、セルビア人がセルビア正教です。

使用言語は、アルバニア語とセルビア語で、ホテルなどの観光業に従事している人は大半が英語を話せます。また簡単な英語であれば一般の人でも通じるケースが多いなと感じます。

トルコの影響を受けるコソボの食事は美味しい?

コソボは、長らくオスマントルコの支配下にあったこともあり、トルコ料理の影響を強く受けています。ほかにも首都プリシュティナのような都市部では、イタリア料理を中心に西洋料理も食べられています。

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代表的な料理としては、羊肉を串に刺し、グリルしたシン・ケバブ。日本でよく食べられるトルコ式のドネルケバブではなく、ソーセージのような形をしたケバブが主流です。

ほかにも川魚のトラウトをグリルやフライにした料理も広く食されています。これらの料理をヨーグルトを飲みながら食べるのがコソボ流。ヨーグルトというとブルガリアをイメージしますが、ヨーグルトはバルカン諸国では、日本でいう「お茶を飲む」感覚で広く庶民に根付いています。

気になるコソボの治安は?

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セルビアからの分離独立を目指したコソボ紛争により、一時街は廃墟と化しましたが、独立を機に急速な発展を遂げています。街を歩いている限り、ここで本当に戦争があったのかと疑うほどです。

特に、都市部の目抜き通りや観光客が多いエリアは非常に治安が安定しています。普通に旅行していればトラブルに巻き込まれることも少ないでしょう。

ホテルも一般的な3つ星以上であれば、非常に快適に過ごすことができますよ。レストランなどでの店員の対応も丁寧です。ただし、観光客を狙ったスリや強盗も度々報告されており、特に首都プリシュティナでは問題になっています。そのため、夜間に人通りの少ない暗い道を歩くことはできる限り避けてください。


埋めがたい民族対立

コソボの民族問題はいまだ解決されておらず、アルバニア人とセルビア人の対立は続いています。コソボを国家として承認していない国も多く、特に隣国セルビアとの確執は埋めがたい軋轢があるようです。

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民族、宗教的な記念日では、両者の緊張が高まることもあるので、その時期に教会や集合場所周辺には近づかないようにしましょう。現地の人と会話する場合も、民族問題などのデリケートな話題は避けた方が無難です。

また、コソボからセルビアに陸路で渡ろうとするとセルビア側で不法侵入を見なされ拘束される場合があります。セルビアを訪れる場合は、必ず第三国を経由してください。

しかし、イスラエルのようにパスポートにイスラエルの出入国スタンプが押されていると、周辺のアラブ諸国へは入国できないというようなことはありません。コソボのスタンプがあっても問題なくセルビアに入国できますので、ご安心を。

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