まるで絵本の中に迷い込んだみたい。チェコの世界一美しい街「チェスキークルムロフ」でぶらり旅

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チェコの南ボヘミア州にある「チェスキークルムロフ」は、長閑な田園地帯の中、ヴルタヴァ川畔にポツンとその姿を現します。チェスキーは「ボヘミアの」、クルムロフは「川の湾曲部の湿地帯」の意味なのだそう。

1989年のチェコで起こったビロード革命以降、歴史的文化財や建造物の修復が急速に進められ、1992年にユネスコ世界遺産に登録されています。

それでは、絵本から飛び出してきたかのような「世界で一番美しい街」と言われる街をご紹介します。

石畳の路を下りてすぐ!街の中心地「スヴォルノスティ広場」

チェスキークルムロフ image by:石黒まり花

馬蹄形に蛇行するヴルタヴァ川が、旧市街を取り囲んでいるような形の「チェスキークルムロフ」。プラハからのバスの発着所は小高くなっている街の外れにあります。

石畳の坂道を下りていくと、あっという間に街の中心地「スヴォルノスティ広場」に着いてしまう、本当に小さな街なんです。

スヴォルノスティ広場 image by:石黒まり花

広場には、ライトブルーや、レモンイエローなどのパステルカラーの建物が集まり、かわいいのなんの…。

近隣のオーストリアやドイツから直接入国した場合は、広場にインフォメーションセンターを兼ねた両替所もあるので、ここでチェコ・コルナのレートをチェックするのをおすすめします。

チェコはユーロを導入していませんので、カード払いするにしても値段がわからない!ってことになりかねません。

ラゼブニッキー橋から見えるチェスキークルムロフ城 image by:Shutterstock.com

欄干に守護聖人像とキリスト像があるラゼブニッキー橋の後方には、チェスキークルムロフ城が見えています。


この橋、別名「床屋橋」と言うのですが、由来は橋のたもとに床屋があったからだとか…。よくわからないというか、そのまんまですね。

街の規模を考えると不釣り合い?巨大な「チェスキークルムロフ城」

ラゼブニッキー橋の後ろに見える「チェスキークルムロフ城」image by:石黒まり花

チェスキークルムロフで一番のおすすめスポットは、街のサイズを考えると不釣り合いなくらいの大きさを誇る「チェスキークルムロフ城」です。

チェコではプラハ城に次ぐ規模で、ボヘミア地方では最大の城なんです。川沿いから坂道をのぼっていくと城門があり、中にチケットオフィスが2カ所あります。

旧市街から見えるチェスキークルムロフ城の塔 image by:石黒まり花

お城の入場券は奥の方で、塔に上がる入場券は手前のオフィスと別々の場所なので、気をつけてくださいね。

創建は13世紀に遡りますが、16世紀にルネサンス様式で再建されたお城の壁の模様は、レリーフではなく、だまし絵のように描かれています。

チェスキークルムロフ城の塔からのパノラマ image by:石黒まり花

13世紀後半に造られた円柱形の塔は、お城で最古の部分になります。塔の上からの景色がすばらしいので、162段の階段をがんばって上ります!最初は緩やかな階段も途中からかなり急になりハードですが、上り切った途端に広がるパノラマは必見ですよ。

ヴルタヴァ川に守られているかのような、アールを描くこじんまりとした旧市街の景色はまさに、絵本の挿入画か絵葉書の世界のようなんです。

かわいいお店が並ぶ旧市街をぶらり街歩き

旧市街のアールを描く道には、カフェやお店が並んでいます image by:石黒まり花

石畳の路地が続くチェスキークルムロフにはかわいいお店が多く、民芸品やお土産物を探して歩くだけでも楽しいもの。ついつい時間を忘れてしまいますが、もう少し散歩を続けます。

ヴルタヴァ川沿いには、水車があったり、すてきな窓枠の家があったり、世界遺産の街に住むって想像つきませんね。

ブラーシュチョビー橋 image by:石黒まり花

大きなチェスキークルムロフ城は、街のどこからでも見ることができます。18世紀に完成した石橋「ブラーシュチョビー橋」(別名クローク橋)は建造当初は木造だったのですが、その後補強され現在は3層の石橋になっています。見かけも厳つく、ここだけ別世界のような景色です。


チェスキークルムロフ城と双璧をなす背の高い「聖ヴィート教会」

聖ヴィート教会 image by:石黒まり花

チェスキークルムロフ城の塔からも目立っていた大きい建物は「聖ヴィート教会」です。細い石段を上った先にあるので、余計に大きく感じます。

15世紀に建てられたゴシック様式の教会で、守護聖人の聖ヴィートとマリアが描かれている主祭壇には、15世紀のフレスコ画が残っている美しい教会です。

首都プラハからバスが出ているので遠足気分で訪れることができる「チェスキークルムロフ」ですが、とてもかわいらしい街並みに、美味しいカフェやレストランを備えたプチホテルもいくつかあるので、一泊してみたくなる街です。絵本の世界に紛れ込んだヒロインになった気分を、楽しんでいただけるのではないでしょうか。

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