突然ですが、下水道のイメージを聞かれたら、皆さんはどう答えますか?一般的なイメージとしては「くさい」「きたない」、あるいは「ねずみがいる」など、比較的マイナスなイメージを抱くことが多いのではないでしょうか?
これに対して、「実際に、下水道管に入ったことがありますか?」と聞かれた場合、ほとんどの方は、「ありません」と答えると思います。
つまりほとんどの場合は、アニメや漫画などに描かれる下水道管のイメージからの想像で、マイナスイメージを抱いているんですよね。そんな中、実際に使われている下水道管のなかに入ることができる施設が、東京都小平市にあるんです。それが、「小平市ふれあい下水道館」です。
地下5階に展示される「リアル下水道管」
「小平市ふれあい下水道館」は、日本で唯一、一般の人が無料で、自由に、実際に使われている下水道管のなかに入る事ができる施設であり、下水や水環境の大切さを学ぶ事ができる施設でもあります。
小平市ふれあい下水道館は、平成2年に小平市が、当時3293団体あった自治体(市町村の合併に伴い、平成26年4月時点では1718団体となっています。総務省調べ)の中で13番目という早さで下水道普及率100%を達成した事を記念して、平成7年に開館した施設です。
実際に行ってみて驚くのは、その建物の構造です。具体的には、地上2階、地下5階という地下の方が階層が多いという構造です。めずしいですよね。
そして実際に使われている下水道管は地下5階にあります。見学や学習の順路などは無いため、早速地下5階に降りてみます。階層の移動には、階段の他、エレベーターもあるため、車いすの方も安心です。
東京都下水道局によると、下水道管の直径は、内径25cmから8.5mのものまであるそうで、今回入る事のできる下水道管の内径は4.5mのもので、小川(地域名)幹線と呼ばれるものだそうです。
4.5mというと、平屋建ての家の屋根よりも高いくらいの直径ということになりますね。その巨大さにも驚きますが、埋設されている位置にも驚きます。
地下5階と書いている事から、かなり深いことはご察しされているかと思うのですが、実際の深さはなんと地下25mの場所なんです。イメージの中では、せいぜい5m程度の深さだと思っていたので、想像以上の深さに驚きました。
さて、実際の下水道管の様子ですが、冒頭のイメージとはずいぶん違いました。
この日は台風の翌日という事もあり、ほぼ満水状態で水が流れた後とあって、湿気が籠り、ムワッとした空気感と、多少のニオイはありましたが、「臭い」というほどの感覚はありませんでした。また、ねずみなどの動物やヘドロなどが溜まっている様子も無く、「整備された地下通路」といった印象を受けました。
下水道管内は、点検なども行われるため、実際に人が立ち入ることが多いのです。このため、有害ガスなどが発生していないか、その濃度等を常にチェックしています。したがって実際には、下水道管内に悪臭が立ち込めるといった事は無いのです。
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