江戸情緒あふれる、いまもなお美しい日本海の「北前船」寄港地5選

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庄内平野の酒田(山形県)

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北前船の寄港地として、どこを真っ先に思い浮かべるかといわれれば、筆者としては真っ先に山形県酒田を連想します。それほど酒田には、一時期莫大な富が集まりました。

そもそも酒田は現在の山形県の北部にあります。山形県の県境の形を左を向いた男性の横顔とするのならば、額の部分に位置する港町です。

日本三急流のひとつといわれる、最上川の河口に位置します。最上川といえば、「五月雨を 集めて早し 最上川」という松尾芭蕉の俳句でも有名ですね。

最上川の上流には、米沢藩、新庄藩、山形藩などが栄えました。さらに幕府の直轄地である天領もあったため、地域の物資を運ぶ最上川船運が盛んになります。

その最上川が日本海に注ぐ場所に酒田があり、酒田には北前船も寄港して、さまざまな物資が行き交いました。

そもそも北前船は酒田から大阪までの航路が、北海道まで延びてできたルートを往復しています。北前船の歴史を考えても、極めて重要な場所なのです。

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見どころとしては「日和山公園」と「山居倉庫」があります。日和山公園は、北前船の船頭たちが出航の可否を判断するために天候を見た場所です。そして山居倉庫は、最上川の支流沿いにある明治時代にできた土蔵群。

山居倉庫 image by:Shutterstock.com

この山居倉庫から日和見公園を目指して港町を歩くルートが素晴らしく、二番町や日吉町など修景された古いまち散策も楽しめます。

また日和山公園に続く高低差のある路地は味わい深く、公園には洋館なども見られるので飽きません。

なお、山形新幹線は酒田を含めた庄内平野まで延伸をする目標を持っているようですが、現状は新庄まで。新庄からはJR陸羽西線に乗り換えて酒田駅を目指し、酒田駅からは散策を満喫してください。

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陸路という発想で見ると、酒田は磐梯朝日国立公園、蔵王国定公園、栗駒国定公園、鳥海国定公園など、山岳地帯に囲まれて少し孤立した感のある立地です。

しかし、北前船の盛んだった時代の海側から見ると、大変すばらしい寄港地だったと地図から分かります。出羽富士とも呼ばれる鳥海山の眺めも楽しめますから、何らかのタイミングで一度は出かけたいですね。。

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今回は日本海側の北前船や船主集落を5つ紹介しましたが、もちろんほかにも素敵な雰囲気の北前船寄港地がたくさんあります。

どこか気になる雰囲気の港町があれば、ほかの寄港地もあわせてめぐってみると、異なる日本の素顔が見えてくるかもしれません。

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