北は日本海、南は中国山地という大自然に恵まれ、鳥取砂丘をはじめとした名所の数々など、多くの旅行者たちに愛されている鳥取県。
鳥取県ならではの魅力にあふれた文化やグルメなどたくさんの見どころがありますが、実は温泉地としても見逃せません。
日本屈指の名湯が点在する鳥取県内で、400年を超える城下町とともに過ごすことができる温泉地が「鹿野(しかの)温泉」です。
今回はタイムスリップ気分を味わえる街並みもたまらない鹿野温泉の歴史や魅力、あわせて巡りたい周辺のおすすめグルメスポットをご紹介します。
※本記事は新型コロナウイルス感染拡大時のお出かけを推奨するものではありません。新型コロナウィルスの国内・各都道府県情報および各施設の公式情報を必ずご確認ください。
城下町を散策しながら、名湯やグルメに舌鼓
翼を広げた鷲のようなシルエットが美しく、名峰と名高い「鷲峰山(じゅうぼうやま・じゅうほうざん)」の壮大な山々に囲まれ、鹿野城跡を中心にいまも当時の風情を残す城下町、鹿野。文豪・司馬遼太郎が「気品を持った集落」と記した街並みが見事な名所です。
羽柴秀吉が統治する豊臣政権下の時代にこの鹿野城へと入城した城主・亀井茲矩(かめい・これのり)は、朱印船貿易や用水路の設計などさまざまな改革を施し、鹿野に繁栄をもたらした名将で、地元では現在でも親しみを込めて「亀井さん」と呼ばれるほど。
しかし1615(元和元)年に入ると、一国一城令により鹿野城は破壊という憂き目に遭い、徐々に衰退の一途を辿ることに。息子の亀井政矩(かめい・まさのり)が転封されるとさらに衰退し、鹿野城の跡地、そしてかつての栄華を思わせる城下町が残りました。
とはいえ、丁寧な町づくりを行った亀井公の功績がそこかしこに感じられる風景や、立派な濠が現存する城跡公園など、当時の活気を偲ばせる街歩きは格別。いまでは古民家を生かしたレストランなど、見どころも続々と登場しています。
そんな鹿野に湧く「鹿野温泉」は、1966(昭和41)年に国の「国民保養地」指定を受けた名湯です。1953(昭和28)年という、比較的近代になってから掘削が本格的に実施された温泉でもあり、歓楽施設などを置かずに城下町の雰囲気を色濃く残しているのが特徴です。
泉質は、心身をゆったりと解きほぐしてくれるマイルドな単純弱放射能泉。国民宿舎でもある旅館や日帰りの入浴が可能な施設や足湯、源泉かけ流しの庭園露天風呂が醍醐味の「山紫苑」など、温泉とともに、ゆったりと城下町散歩を堪能することができますよ。
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