秋田の温泉といえば全国的にその名が知られる「乳頭温泉」が有名ですが、ほかにもたくさんの魅惑的な温泉が点在し、それぞれに個性あふれる湯で温泉ファンを魅了します。
雪深い東北の地ならではの鄙(ひな)びた温泉宿も風情がありますが、優雅な温泉リゾートで新鮮な源泉掛け流しを思い切り堪能というのにも、惹かれるもの。
ということで、今回は秋田のなかでもひときわ目を惹く温泉宿「夏瀬温泉 都わすれ」をご紹介します。温泉が素晴らしいことはいうまでもありませんが、リゾート感もプラスされ、細やかな心配りのおもてなしで身も心も癒されるこれぞ隠れ家的な宿です。
※本記事は新型コロナウイルス感染拡大時のお出かけを推奨するものではありません。新型コロナウィルスの国内・各都道府県情報および各施設の公式情報を必ずご確認ください。
秋田の秘湯で絶景と源泉を独り占め!「夏瀬温泉 都わすれ」
「夏瀬温泉 都わすれ」があるのは、田沢湖の南。田沢湖と角館を流れる玉川中流に位置し、近くには有名な景勝地「抱き返り渓谷」(人がすれ違うときにお互いに抱きかかえるように返さなければ通れなかったほど、狭く険しい山道だったことから)があります。
地図上で見ると乳頭温泉郷のある駒ケ岳山麓から町中へ降りてきたあたりに位置する温泉のように見えますが、これがなかなかどうして、国道から細く険しい山道を6kmほども走ってようやく辿り着くことができる、アクセス的には秘湯の分類に入る温泉です。
こんなところに温泉宿が!という驚きの、ぽっかりと山の谷戸に開ける桃源郷のような宿ともいえます。
夏瀬温泉は江戸時代から薬湯として長く親しまれてきた秘湯で、宿は「都わすれ」一軒のみ。あたりには宿はもちろん他に建物はおろか人工的建造物は一切なく、見渡す限り自然が広がります。
さらに宿の目の前には紺碧色に輝く玉川の美しい渓流が流れるという最高のロケーション。チェックインからチェックアウトまですべてを忘れて、自然の音や匂いに五感を解放し、美湯と美食を堪能。優雅な怠惰に身をゆだねるのが正解です。