雨があまり降らないモアブにも、突然大量の雨が降ることがあります。その場合、普段は干上がっている地域なので地面がガチガチに固まっています。そのため水が地面に吸収されずに、地表を伝わって山の上流から流れてきて、激しい洪水になってしまうのです。
ちなみに、ユタ州の我が家で寒い冬が終わり、春になるとウキウキ気分で庭仕事を始める私たち家族。ですが、春だと雪解け水が土に残っているので柔らかくて手入れがしやすいのですが、夏になると土がガチガチに固くなって、その部分を掘り起こすのに、とても時間がかかります。
それくらい地面が干上がってしまっているので、土の中に水が吸収されるのに時間がかかり、山から流れて来る大量の水が、まるでコンクリートの坂道の上でダムが崩壊して大量の水が押し寄せてくるかのような勢いで襲ってくるのです。気づいたときにはもう手遅れとのいうのが現実です。
ここまでは、ちょっと恐怖を感じてしまうようなことを書きましたが、地球の大自然が私たち人間へ与えてくれる癒しの力もまた、想像を超えるものがありますよね。
近年、世界中から多くの観光客が訪れるユタ州モアブ。地元の人たちのようにオフロード車を持ってなくても、一生に一度は体験したいオフローディングです。
いまでは町のあちこちにレンタルできる場所や、運転に自信がないオフローディング初心者のためのツアーも多く出ています。
下の映像は、車内3列もあるオフロード車に乗った観光客が、「Hells Revenge(地獄の復讐)」という怖い名前のついた有名なトレイルを走っている映像です。
今回の旅では、いままではあまり目にすることが無かったこのような光景をあちこちで見かけしました。私たち夫婦の穴場がバレてしまったような、ちょっと寂しいような気持ちも…。
ちなみに、このトレイルはモアブのオフロードガイドブックには、難易度が高いカテゴリーになってます。だからこそ、いままでは人が少なくて私たち夫婦のお気に入りのトレイルだったのですが(笑)
トレイル周辺には、新しく高級住宅街が建設される予定で、私たちが訪れたときには、建築予定の土地のオープンハウスが行われていました。
ドンドン変わって行くユタ州モアブ周辺。多くの人々が、癒しを求めてやってくるモアブ。それに応えようとドンドン発展していくモアブ。
それが良いこととか、悪いこととかというのではなく、私たち夫婦の大好きなモアブが、少しずつ消えていってるのは確かです…。
そんな観光客でにぎわっていたトレイルとは逆に、まだ交通量も少なく、緩やかなコロラド川に沿って走りながら行く「Kane Creek」というトレイル。
普通乗用車でも行けますが、途中から道が険しくなるので、オフロード車が安全でもあり便利になってきます。
「Creek」とは日本語で「小川」という意味。名前の通り、小川に沿って走って行くからこそ、鉄砲水が起きたときは逃げる場所はありません。それでも地元の人たちが魅了されるのは、観光客でにぎわうことのない静けさと手つかずの大自然なのかもしれません。
ユタ州に限らず、大自然を楽しむときは天気予報を事前にチェックして、そして天気予報が晴れだったとしても、オフローディング中は空模様を確認しながら、自分の直感に従うことことも大切にしたいですね!
実際私たち夫婦は、この日目の前に突然現れた真っ黒な雲を見て、トレイルの最後まで行かずに引き返してきました。