春の訪れを告げる梅の花。梅は、8世紀に中国との交易で輸入されたとされ『万葉集』においては桜の3倍もの歌に詠まれるほど、古くから日本人に愛されてきました。
そんな梅の花が見事に咲き誇るスポットが京都府内にたくさんあるのを知っていますか?KYOTOSIDE編集部がおすすめする府内の梅スポットをご紹介します。
・基本的な感染予防対策(マスクの着用・手洗い・身体的距離の確保など)を徹底してください
・屋外の活動も慎重にしてください
・発熱等の症状(発熱、咳、のどの痛み、息苦しさなどの症状)がある場合は、外出を控えてください
※今回掲載の内容は、令和4(2022)年1月20日段階のものです。梅の開花状況、イベント等に関しては、直接お問い合わせください。
咲き始めから散り際まで。その美しさに見とれるしだれ梅
城南宮(京都市伏見区)
平安遷都にあたり皇城南に守護神として創建された、京都市伏見区の城南宮。「方除(ほうよけ)の大社」として信仰を集め、方除・厄除・家庭円満・会社繁栄の御利益を求めて多くの人が訪れています。
神苑「楽水苑」は、源氏物語に登場する約80種の草花が植栽されていることから、別名「源氏物語 花の庭」と呼ばれている名所。春の山、平安の庭、室町の庭、桃山の庭といった趣の異なる庭園が設けられ、季節ごとに美しい景色を楽しめます。
春の山には150本のしだれ梅が薄紅色や紅白に染まり、その開花は京都の早春の風物詩として知られています。紅白、薄紅色のしだれ梅は、咲き始め(探梅)から見ごろ(観梅)、散り際(惜梅)と移りゆく様も雅やかで、思わずうっとりする美しさです。
また、城南宮には120種400本の椿が植えられており、12月から3月まで多彩な椿の花を楽しめるのも魅力的です。
2月18日(金)から3月22日(火)までの期間はしだれ梅と椿まつりが開かれます。梅の花を冠にさした巫女が梅の枝を手に持ち神楽を舞う「梅が枝神楽」や梅の花守りの特別授与(初穂料1,000円)、参道では植木市の出店や名物・椿餅の限定販売も行われます。
しだれ梅の開花状況は城南宮の公式HPで公開されています。お出かけの前にはぜひチェックをするのがおすすめです。
■■INFORMATION■■
城南宮
TEL:075-623-0846
住所:京都府京都市伏見区中島鳥羽離宮町7
拝観時間:9:00~16:30(受付は~16:00)
拝観料:境内自由、神苑拝観大人800円
アクセス:京都市営地下鉄・近鉄竹田駅から徒歩15分、市バス停「城南宮東口」から徒歩3分、竹田駅からタクシーで3分
約60品種・100本もの梅の花に心躍る
京都府立植物園(京都市左京区)
京都府立植物園は、大正13(1924)年に開園した日本最古の公立総合植物園。総面積約24ヘクタールもの広大な敷地に、約12,000種もの植物が植栽展示されています。園内の中央部にある梅林は、2月中旬ごろから3月下旬ごろまで開花。豊かな香りが辺りに漂い、来園者を迎えてくれます。
薄紅色の花びらが美しい「内裏」(写真)をはじめ、紅白やしぼりに咲き分ける「思いの侭(まま)」、遠目に見ると緑がかって見える「緑萼(りょくがく)」など、約60品種・100本もの梅を楽しめるのがこちらの特徴。
八重咲きの「楊貴妃」(写真)など珍しい品種もあり、すべての品種名が記されているのも植物園ならではのうれしいポイント。花の色や付き方、枝振りなどを見比べてみるのも楽しそうですね。
■■INFORMATION■■
京都府立植物園
TEL:075-701-0141
住所:京都府京都市左京区下鴨半木町
開園時間:9:00~17:00(最終入園16:00)
入園料:大人200円/高校生150円
※中学生以下、70歳以上及び障がい者の方(介護者含む)は無料(要証明書提示)
休園日:12月28日~1月4日
アクセス:地下鉄北山駅下車3番出口から徒歩すぐまたは北大路駅下車3番出口から東へ徒歩約10分、市バス停「植物園前」下車徒歩約5分
京都の大パノラマと共に楽しむ紅白の梅の花
正法寺(京都市西京区)
大原野に佇む正法寺(しょうぼうじ)は、奈良・唐招提寺を創建した鑑真和上の高弟・智威大徳が、天平勝宝年間(749~757)に、春日禅房という庵を開きこの地に隠世したことが始まり。
弘仁年間(810~824)には弘法大師・空海がこの地を訪れ、厄除けのため聖観音を彫刻したことでも知られています。
同寺は、応仁の乱で一時焼失しましたが、元和元(1615)年に、惠雲・長圓の両律師によって再興。「西山のお大師さま」として親しまれています。
また、境内全体で約600tもの巨岩が集められていることから「石の寺」とも呼ばれている同寺。なかでも東山連峰を借景とした山水庭園「宝生苑」には、鳥やペンギン、ウサギなど、動物の形に似た石が16種類配され、「鳥獣の石庭」とも呼ばれています。
桜の名所として有名な同寺ですが、約100本の梅の木が並ぶ梅林の美しさも忘れてはいけません。京都盆地を望む場所にあることから、京都の街並み、東山の山並みを一望できるロケーション。京都の景色とのコントラストが見事な梅林は、ここならではの絶景です。例年、3月の上旬ごろには見ごろを迎えます。
■■INFORMATION■■
正法寺
TEL:075-331-0105
住所:京都府京都市西京区大原野南春日町1102
拝観時間:9:00~17:00(最終入場16:30)
アクセス:JR向日町駅または阪急東向日駅から阪急バス「南春日町」下車、徒歩10分/阪急桂駅西口から京都市バス「南春日町」下車、徒歩10分