ツアー旅行のメリットは?旅のプロが教える格安「パッケージツアー」のリアル

海外旅行といえば、一昔前は「ツアー」が一般的でした。日本で出発する空港で集合して飛行機に乗り、現地では添乗員が先導しての団体行動で、ホテルと観光スポット、空港などへの移動は送迎付き。現地での食事は全食事付き、海外なのに日本食が提供されたこともありました。

近年は若者を中心に、自分で航空券を買い、ホテルはインターネットで自ら予約という「個人旅行」が増えています。旅行会社が販売する「航空券+ホテル」のセットも人気。一方、個人旅行ではなかなか行きづらい国や場所、さらに高齢者にはツアーがまだまだ健在です。

海外旅行の初心者だと、いざツアーに参加してもそう違和感は抱かないでしょう。だんだん旅に慣れて自分で動けるようになると「えっ?」と思わされること多々あります。

実際に筆者が20年ぶり以上にフルパッケージのツアーに参加したとき、「20年前と変わっていないのでは…」と思わされました。

そこで今回は、昔も今も変わらない旅行会社が販売するツアーの中身を紹介します。

※本記事は新型コロナウイルス感染拡大時のお出かけを推奨するものではありません。新型コロナウイルスの海外渡航・入国情報および各施設の公式情報を必ずご確認ください。

同じツアーなのに値段が違う理由は?

image by:lexan/Shutterstock.com

筆者が参加したのは2016年12月、大阪発着の「エジプト」ツアーでした。たまたま格安のツアーを見つけ、即申し込み。なぜ、ほかのツアーよりも格安だったのか、その理由は後述します。

エジプトで1週間、宿泊先はすべて5つ星ホテル、全食事付き。ギザのピラミッド、カイロのエジプト考古学博物館、ルクソール観光、ナイル川クルーズ、アスワンなどをめぐる定番ルートです。

アブシンベル神殿はオプションツアーだったので追加。飛行機がエジプト航空のチャーター便で、地元である大阪の関西空港が発着というのも参加の決め手になりました。

エジプト航空のチャーター便。image by:シカマアキ

チャーター便の乗客は、日本の旅行会社が販売したエジプトツアーの参加者のみ。新婚旅行のカップルが若干いた程度で、子どもを連れた家族連れは皆無であり、ほとんどが60〜70代以上と年齢層かなり高めでした。


チャーター便の客室乗務員(CA)が全員エジプト人だったため、日本人しか乗っていない国際線というのもある意味レア体験。

CAに何か伝えるのも日本語では通じず、そのたびにツアーの日本人添乗員が呼ばれ、行きの機内ですでに疲労困ぱい状態なのを目撃しました。

エジプト航空のチャーター便。image by:シカマアキ

我々のツアーは、実は日本人添乗員なし、日本語が堪能なエジプト人現地ガイドのみでした。格安だった理由は、添乗員の人件費。「日本から添乗員が付いて来るか来ないか」であることに気づきました。

5つ星のクオリティが低い、食事もすべて微妙…

エジプトで泊まったホテルの客室。image by:シカマアキ

エジプトでの滞在先はすべて「5つ星ホテル」とのことでしたが、そこは海外クオリティ。欧米そして日本と比較すると、2〜3つ星ホテル相当でした。

Wi-Fiは貧弱または有料、水回りの清潔感はなく、客室の壁は薄汚れ、隅には埃も溜まっていました。

ツアーに含まれていたエジプト料理の味は残念ながら微妙だった。image by:シカマアキ

全食事付き」の内容、その多くはビュッフェ方式。自慢のエジプト料理と銘打つ割に、写真で見た料理とほど遠く、味もかなり微妙。

しかも、どの食事でも「水」をはじめドリンクがすべて有料でした。ツアーから一時離れて外で食べたエジプトの屋台料理のほうが、激安の割にずいぶんと美味しかったです。

ツアー中何度か、日本食も出てきました。ナイル川の上で日本食という違和感、しかもはっきりいってあまり美味しくなく…。別のツアーの添乗員に聞いたのが「ツアーに日本食を入れると売れる」とのこと。

海外まで来て無理に日本食を食べなくても、と思わずにはいられないものの、高齢者が多いツアーでは必須なのです。

そんな食事タイム、朝6時半の開始時間前からレストランの入口に並んでいたのも日本人ツアー客。「お年寄りは朝が早い」は、このツアー中にも発揮され、一方で夜9時を過ぎるとロビーに人影ゼロでした。

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