日本人が知らない、世界で一番「観光客が少ない国」と日本の意外な関係

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実は親日?日本人に対する島民の反応

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このツバル、意外に日本とのつながりもあります。主な関係は、第二次世界大戦(太平洋戦争)にまでさかのぼります。

スペイン人探検家が16世紀に発見し、現在の首都のある「フナティ環礁」をアメリカ人探検家が19世紀に発見。19世紀の後半から20世紀初めにかけてはイギリス人が、隣のギルバート諸島と共にギルバート・エリス諸島として植民地化した歴史があります。日本との関係はこのあと。

エリス諸島に1942(昭和17)年、アメリカの海兵隊が入ってきて簡易の舗装滑走路をつくりました。隣のギルバート諸島まで日本軍が進出してきたためですね。

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結果、エリス諸島(現在のツバル)は日本とアメリカの戦いの舞台になり、日本軍も島を爆撃しました。これだけの歴史では、あまり好意的な関係とはいえないかもしれません。

しかし、その大きな戦争が終わって30年ほど経過した1978(昭和53)年に、ギルバート諸島と分離独立してツバルが誕生すると、独立と同時に日本は国家承認して、1979(昭和54)年からは外交関係も始まりました。

その後も、漁業協定を結んだり人的交流を繰り返したりと、両国は関係を維持。日本が援助した無償の資金協力は現在に至るまでに約110億円、技術協力は約31億円を超えます。

日本の支援でできた港なども現地にあるため、日本人に対する島民の印象も好ましいと、一部の現地旅行記事に書かれています。

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これが外国人観光客の世界で最も少ないツバルの大まかな姿です。このところの気候変動によって深刻な影響が国土に出ているツバルからは、島民の島外移住も盛んに議論されているそう。

しかし一方で、伝統的な共同体意識やきずなが色濃く残る土地らしく、島に愛着を感じて、島に残りたいと考える国民も多いのも確か。

まだ観光開発が進んでいないとされていますが、ツバル観光の最大の魅力は、世界の至るところで失われてきた、昔ながらの共同体の姿なのかもしれませんね。

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