全国的に人気が高く、一度は行ってみたい憧れの温泉地として必ずランキングの上位に登場することでもお馴染みの大分県「湯布院」。
個人的には、昔からなぜかその名に特別な響きを感じています。まだ訪ねたことのない方のために説明すると、大分県のほぼ真ん中、別府から車で30分ほど内陸にあり、源泉数では別府についで全国第2位をほこる温泉地です。
「豊後富士」の愛称で親しまれる由布岳の麓に位置するため、古の時代から風光明媚な由布岳の景色とともに語られる地でもあり、関東圏で例えるなら軽井沢のような存在です。
そんな湯布院に2022(令和4)年夏、7年間もの準備期間を経て、まさに満を持してのオープンとなったのが「界 由布院」。
中心地からちょっと離れた山間にひっそりと佇む、建築家・隈研吾氏による大人の逗留宿です。人気の星野リゾートによる温泉旅館、しかも湯布院のブランニュー施設となれば気にならないはずがありません。
さっそく足を運んで来たところなので、みなさんにもご紹介したいと思います。
目次
- 1滞在の主役となる棚田テラスから眺める湯布院の原風景
- 2自然のリズムに身をまかせて過ごす滞在
- 3由布岳を眺める特等席で過ごす至極の温泉タイム
- 4野山のご馳走、ご当地ジビエを楽しむ
※本記事は新型コロナウイルス感染拡大時のお出かけを推奨するものではありません。新型コロナウイルスの海外渡航・入国情報および各施設の公式情報を必ずご確認ください。
滞在の主役となる棚田テラスから眺める湯布院の原風景
「界 由布院」は一言で言えば湯布院の原風景と出会える宿。その特徴を代表するのが棚田の存在で、ここではすべてが棚田を中心にまわっていると言っても過言ではありません。
到着したゲストがまず目を奪われるのが敷地の真ん中に配された開放的な棚田の風景。
棚田にとけこむよう客室は実に控えめに配され、棚田の先には鬱蒼(うっそう)と生い茂る木々と美しい稜線を描く山々が連なります。
時間の変化とともに少しずつトーンを変えて映る棚田の景色は見飽きることがなく、まだ見ぬ季節の色彩をも想像させるくらい圧倒的です。
ゲストは昼夜問わずこの「棚田テラス」で思い思いの時間を過ごしますが、黄金色に棚田が染まる夕暮れ時や山々が朝霧につつまれる早朝は特にドラマティック。
また、温泉でほてった身体を涼ませるのにも最高の場所です。
自然のリズムに身をまかせて過ごす滞在
客室の居心地よさは逗留宿に欠かせない条件ですが、「界 由布院」の滞在は瀟洒(しょうしゃ)なホテルのそれではなく、自然のリズムに寄り添って過ごす安らぎの滞在。
シンプルに整えられた客室の窓には棚田や里山の風景が広がり、室内にいても里山の自然を感じられるようデザインされています。
初めて訪れる場所なのに、まるでここで暮らしているかのようなほっと寛げる気分になるのはきっとこの室内に広がる自然の気配のおかげでしょう。
大分の名産である竹や七島藺(しちとうい)といった自然素材が随所の装飾に使われているのも素敵です。
そんな憩いの空間で気が向いたら客室の温泉に入り、ソファでゴロゴロ。うとうとと心地のよい微睡が訪れてきたら素敵なお昼寝タイムをどうぞ。