一番星の生まれ変わり?外国人が日本独自の「アイドル」文化について思うこと

日本のアイドルはアジアで人気

音楽の業界で「世界」というと、世界最大の市場規模を誇る「アメリカ」をイメージしてしまうもの。次いでイギリスを想像する人もいるかもしれませんので、言い換えると「世界」=欧米と理解する人は多いはず。少なくとも筆者はその部類です。

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しかし、日本のアイドルは、欧米よりもアジア各国を中心に評価されているようです。

映像産業振興機構「クールジャパンの再生産のための外国人意識調査(概要)」を見ると、「日本に興味を持ったきっかけは?」「興味ある日本の分野は?」との質問に、アイドル(俳優・芸能人を含む)を挙げる人たちは、圧倒的にアジアに多いとわかります。

ヨーロッパやアメリカの人たちの関心は低く、特にアメリカ人たちの日本人アイドル(俳優・芸能人を含む)に対する興味は、日本の教育業界に対する興味関心よりも低いとわかります。

しかし中国など一部のアジア諸国では、過酷な受験競争に敗れた人たちの自己肯定感のよりどころに日本型アイドルがなっていると指摘する論文もあります。

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インドネシアでは、報酬や生産性などを度外視した楽しさを若者に提供し、消費をうながし、日本文化の関心を高める中心的存在としてアイドルが貢献していると指摘する論文もあります。

日本と同じくアイドルに恋愛感情を抱く若者もアジアには存在するとの話。中国の顕彰制度(特定のメンバーに最多の投票を行った者に「単推王(たんおしおう=ダントエィワン)」の称号を与える)のように、日本に存在しないアイドルの応援の形が生まれたケースもあります。

その意味で言えば、日本型のアイドルは、アジアを中心とした「世界」で確実に人気を博してきていて、欧米でも「weird」といった評価ではあるものの一定の認知は広がっていると当面の結論が出せそうですね。

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