国内旅行の行き先が都市部であれば、鉄道ネットワークが発達して移動に不便はないでしょう。しかし、地方だと同じようにはいきません。
日本の地方は車社会。一家に車が1台、2台とあるのは当たり前です。旅行だと、やはり「レンタカー」が便利。とはいえ、都会に住むと車の維持費もかかり、車の免許を持っていてもずっとペーパードライバーという人も多くいます。
筆者は、地方での移動はレンタカーが中心、とはいえ、車なしで移動することもあります。今回、車がなくても地方を上手く旅するコツを伝授します。
空港発着「リムジンバス」は運行ダイヤに注意
まず、地方で移動する際の手段は「バス」になります。タクシーもありますが、1、2人だと運賃が高く、また地方も最近はタクシー不足で利用しづらくなっています。
バスは大きく2種類に分けられます。まず、旅行者や出張者らがよく利用する、空港発着の「リムジンバス」です。
運行ダイヤは出発便や到着便に合わせていて、乗り遅れると大変。到着時だと次のバスまで何時間も空港で待つ羽目になったり、出発時であれば予定の飛行機に乗れなくなったりする事態になりかねません。ここで意外と大事なのが「時間厳守」で、筆者は出発予定時刻の10分前にはバス停で待つようにしています。
地方でも、新潟空港や松山空港は空港または近くを路線バスも走り、宮崎空港や米子空港(鳥取)、山口宇部空港などは駅が空港から歩いて行けるほど近くにあります。札幌丘珠空港や鳥取空港なども、鉄道駅がなんとか徒歩圏内です。
地元民の足である「路線バス」は旅行者も利用できる
地元の「路線バス」を使いこなせるか否かが、地方での移動を左右するといっても過言ではありません。ただ、路線バスの攻略法は一筋縄ではいかない場所もあって、注意が必要です。
例えば、筆者が先日訪れた島根県の隠岐。この隠岐最大の島である島後には、路線バスが走っています。しかしあくまで地元民の足であり、最終のバスが17時過ぎ。朝や夕方は高校のそばを通ったり、なにより「病院」がバスターミナルになっていたりする点が、地方ならではです。
地方で気を付けたいのは、都会並みのバスの本数がないこと。1本逃すと大変なことになりかねません。また、交通系ICカードが使えず、現金払いのみもいまだ多いです。小銭を多めに用意しておくこと。同じ島根の出雲市の場合、リムジンバスは現金のみ、市内の路線バスは「Suica」が使えました。
とはいえ、海外旅行と異なり、日本語が通じるので、わからなければ運転手や周りの乗客らに相談できるのはありがたいです。地方の人ほどやさしく、丁寧に教えてくれます。
移動範囲が広くなければ「自転車」「バイク」も使える
バスで移動するほどの距離でなければ、「自転車」という手もあります。ホテル・旅館で借りることができたり、街にレンタサイクルがあったりすることも。地方は車の交通量が少ないので、自転車も走りやすいです。
もし、バイクに乗ることができれば、「バイク」のレンタルも良いでしょう。特に、高低差のある場所だと自転車は厳しくとも、バイクだと難なく移動できます。雨などの天気だけがやや難点。
バイクは、沖縄本島や与那国島、直島などでレンタルしたことが
特に、与那国島は小さな島でも高低差が激しく、自転車で回るには厳しいです。とはいえ、レンタカーを借りるほどでもなく、原付でも滞在6時間ほどで島を1周半しました。
車なししでのんびり移動すると旅の思い出が増える
地方で車がないと、移動時間が多少かかることは覚悟しないといけません。筆者が先日訪れた北海道・稚内では、日本最北端の地である宗谷岬まで空港から車で約20分、バスだと最短1時間。しかも、バスの本数は1日に数えるほどです。それでも行く人はバスで行きます。
ちなみに、地方にも鉄道はあります。ただ、JRの●●本線だとまだしも、支線になると2~3時間に1本ということもザラ。まさに、鉄道に合わせた旅行プランを考えないといけません。ただ、地方ならではのローカル鉄道は楽しく、時間はかかっても旅のよい思い出となります。
地方での車以外の移動、そのポイントは「路線バス」です。乗換案内などの検索では出てこないかもしれませんので、地元のバス会社のホームページなどで路線ネットワークや時刻表、運賃などを調べてみてください。
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