春の名残が過ぎ、夏の気配が近づいてくるこの季節。北海道では、日差しが強まる一方で、風はまだ爽やかさを残しており、まさに“初夏ドライブ”にはぴったりのタイミングです。
そこで今回は、涼やかな風を感じながら楽しめる「北海道パノラマ絶景スポット4選」をご紹介します。
大自然がつくり出す風景は、写真では伝えきれない迫力と癒しを与えてくれるもの。そんな北海道ならではの“今しか出会えない風景”を、ぜひ愛車とともに訪ねてみてください。
支笏湖(桟橋)/千歳市

北海道を代表する透明度を誇るカルデラ湖の「支笏湖(しこつこ)」。その美しさが一段と際立つのが、実はこの初夏の時期。強まる日差しが湖水をエメラルドグリーンに染め上げ、空と山々の景色が湖面に静かに映し出される光景は、まるで一枚の絵画のようです。
桟橋から湖を眺めるだけでも心が洗われるような体験ですが、より深く湖の魅力に触れるなら「ポロピナイカンパニー(旧支笏湖観光センター)」でのアクティビティがおすすめ。
ペダルボートで湖上散歩(30分1,500円)や、貸し竿での釣り体験(1時間800円)など、子どもから大人まで気軽に楽しめるコンテンツがそろっています。
日々の喧騒を忘れて、湖上でそよ風に身を委ねる時間は、心も体も解きほぐしてくれる癒しの時間になることでしょう。
- 支笏湖
- 北海道千歳市
- 公式サイト
逆さ羊蹄/倶知安町
“蝦夷富士”とも称される美しい姿で知られる「羊蹄山(ようていざん)」。その雄大な姿が水田の水面に反射して、上下2つの羊蹄山が現れる“逆さ羊蹄”は、この時期だけの特別な風景です。
この景色が見られるのは、「しろかき」(田に水を張る作業)が終わる5月下旬から、稲が育って水面を覆うまでの初夏限定。倶知安町の八幡地区では、雪の残る羊蹄山が朝日や夕日を浴びながら水面に映り込む様子が、フォトグラファーにも人気の絶景となっています。
ドライブがてら立ち寄れる道の駅(車で約22分)では、5月~6月に旬を迎える新鮮なアスパラガスが大人気。すぐに売り切れてしまうほどの人気商品なので、できれば午前中の訪問がおすすめです。
短い期間だけ現れる“幻の鏡面風景”を、ぜひ自分の目で確かめてみてください。
- 羊蹄山
- 北海道虻田郡京極町町
- 倶知安町公式サイト
atelier nipek cafe&gallery/美瑛町
美しい丘陵地帯と色とりどりの花畑で知られる美瑛町。その魅力を独自の視点で切り取ってきた写真家・中西敏貴氏が手がけるカフェ&ギャラリー「atelier nipek cafe&gallery」は、アートと絶景の融合を体験できる場所です。
店内には中西氏による北海道の風景写真が展示されており、併設された展望デッキからは、実際の風景と写真を同時に楽しめるというユニークな体験ができます。
6月には、残雪が美しい十勝岳連峰と青々とした大地のコントラストがくっきりと浮かび上がり、まさに「北海道の初夏」を象徴する景観を堪能できます。
さらに、車で約9分の場所には1988年創業のシャルキュトリーもあり、ここでは道産食材を使った自家製メニューが味わえるレストランも併設。目と舌、両方で“美瑛の旬”を楽しめる贅沢な時間が過ごせます。
- atelier nipek cafe&gallery
- 北海道上川郡美瑛町美沢希望 071-0236
- 0166-74-8169
- 定休日:水曜/木曜
- 10:00〜16:00(冬期は15:00まで)
- 公式サイト
上平グリーンヒルウィンドファーム/苫前町
日本海に面した苫前町には、“風の牧場”の愛称で親しまれる「上平グリーンヒルウィンドファーム」があります。ここは約300ヘクタールという広大な敷地に、高さ155mもの巨大な風車が13基設置されており、風力発電が行われているエリアです。
見渡す限りの草原に、ゆったりと草を食む牛たちの姿。そしてその背景で回転する風車の風景は、北海道らしさがぎゅっと詰まった非日常の光景。青い空と海、緑の牧草地、そして白い風車が織りなす絶景は、心をリセットするのにぴったりです。
また、近くには道の駅併設の温泉ホテル(車で約26分)もあり、露天風呂やジャグジー、サウナなど充実した設備で疲れを癒せます。特に露天風呂から眺める日本庭園は、四季折々の趣を感じられる名所。風の中でリフレッシュした後の立ち寄り湯として、ぜひ組み合わせたいスポットです。
- 上平グリーンヒルウィンドファーム
- 北海道苫前郡苫前町字上平
- 0164-64-2212
北海道の自然は、季節ごとにまったく異なる表情を見せてくれますが、特に初夏はその美しさがぐっと引き立つ季節です。どの場所も、6月という時期だからこそ出会える風景です。
そして、その背景には地域の人々が大切に守り続けてきた自然と文化があります。マナーを守りながら、感謝の気持ちをもって旅を楽しむことが、次の旅人への橋渡しになるのかもしれません。