「若年無業者」を救え!大人が本気で考える、街が若者にできること

1歩を踏み出すことで周囲の景色は変わる、石川重元住職

平成2年から海龍王寺住職を拝命し、地元「ならどっとFM」でのDJ、法話動画のWeb配信、SNS発信など、時代の変化を受け入れた「新しい仏教のありかた」を探りながら活動される石川重元住職。住職のもとには、さまざまな方が相談に訪れるそうですが、その理由はどこにあるのでしょうか。

石川住職:お寺は、中立、公平という意識があるのかなと。誰かに言ったら自分の話が漏れるかもしれへんけど、坊さんやお寺が相手やったら、話が他に漏れないという安心感があると思うんですよ。身近だと話せないが、全く知らない赤の他人だったら話せると言うことがある。そういった方々がお寺に来られるのかなと。

石川住職は、若者支援に最適な仏教用語も教えてくれました。

石川住職:真言宗の宗祖である弘法大師が記された性霊集(しょうりょうしゅう)の中にぴったりなものがあります。『心海岸に達せんと欲(おも)わば、舟に棹(さお)ささんには如(し)かじ』という言葉があるのですが、『心の海岸(彼岸)に達して悟ろうと思うのであれば、まず船に棹をさして、漕ぎ出さなくてはならない』と説いていて、目標を達成しようと思えば、動き出さないと始まらないという言葉を仰っているんですね。これは、全ての事に通用するのではないかと。一歩踏み出すだけで周りの景色は変わる、そんな思いを自分に言い聞かせています。

1人の大人の背中が若者の就労に関する視点を広げる

トークイベント終了後には、与えられたテーマで席替えを繰り返しながら話し合うワールドカフェ形式で、集まった参加者がそれぞれのリソースを生かし、人生相談員として何が出来るのか考える時間が持たれました。

「生きるように働く」、「どこで働くかより誰と働きたいか」など、仕事観に関する意見も出され、参加者1人1人が、自分事として「就労」について考えていたようです。

私たち1人1人の仕事は、誰かの視野を広げる影響を持っていて、その背中が若者の一歩を引き出すのではないかというような意見も寄せられました。

イベント終了後には、人生相談員として関わることを希望する方も多く見られ、さまざまなバックボーンを持った人生相談員の増加によって、就労に悩む若者と「働きたい!ワカモノ人生相談所 in 奈良」が、より結びついていくのではないでしょうか。

Page: 1 2 3 4

TRiP EDiTOR編集部 :TRiP EDiTORは、「旅と人生をもっと楽しく編集できる」をコンセプトに、旅のプロが語りつくす新しい旅行メディアです。