美人に愛され続けて50年!?秋田の夏の風物詩「ババヘラアイス」

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意外と古い? 1940年代から販売へ

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ババヘラアイスの歴史は想像以上に古く、たどってみると1948年ころ地元の児玉冷菓がアイスキャンディーの製造・販売を始めたことにさかのぼります。

最初は児玉冷菓はじめ進藤冷菓、杉重冷菓、千釜冷菓など数社が自転車の荷台にアイスボックスを乗せて販売していたそうですが、1954年ころにはリヤカーやバイクをひいて県内のお祭りやイベント会場で販売。


今のように路上販売がされるようになったのは1960年代に入ってからのことだそう。1970年代にはすでにババヘラの名で呼ばれ、1980年代にその名は県民の間にしっかりと浸透されたようです。

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ババヘラというそのネーミングもさることながら、実際、「カラフルなパラソル」と「ほっかむりを被ったおばさんの組み合わせ」はなんだかちょっとシュール。

幼いころ、炎天下の下、真夏の真っ青な空を背景にアイスを売るおばさんの姿に、「なんでおばさんはこんなところでアイスを売っているんだろう…?」としっくりこないに何かを感じたことを覚えていますが、見慣れてしまえばまあそんなもんか、と思えるから不思議です。

もともとは農家のおかあさんたちの夏場の内職のようなものだったと聞けば納得。

それに、やっぱりババヘラはおばさんが売ってからこそ!なんですね。というのも、ババヘラのババヘラアイスたる魅力は、そのヘラをつかった盛り付けのマジックにあり

ピンクとクリーム色の二色のアイスをまるでバラの花のように美しい盛り付けに仕上げてくれるのは、熟年のなせる技です。

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気になる味のほうは、さっぱりとしたシャーベット感覚のアイス。ピンクがイチゴ味でクリーム色がバナナ味だと言っていましたが、そこまでフレーバーに主張があるわけではなく、冷たい氷菓子が口の中でさっと溶けていくような感覚です。

こってりとクリーミータイプのアイスクリームではないので、暑い夏にはぴったりのおやつと言えそう。子供たちも喜びそうです。もしかしたら各メーカーさんによって若干味の違いがあるかもしれないので、そのあたりはまた秋田へ行った際にリサーチしてみようと思います。

国道や県道に限らず、秋田駅からほど近く、散策におすすめの千秋公園あたりにもこの時期はババヘラアイスのパラソルが出没しています。

夏に秋田に行く予定がある人は、ぜひ秋田の夏の風物詩を体験してみてはいかがでしょう。各メーカーのアイスを食べ歩きなんていうのも面白いかもしれません。

ちなみに、このババヘラアイス、イベントでは高校生など若い女性が売り子となることもあって、その場合「ギャルヘラ」または「ネネヘラ」と呼ばれるそう。

そして、ギャルではないけれどおばさんと呼ぶほどでもない女性が売る場合は「アネヘラ」。

美人の産地として全国に名高い秋田のギャルからババまでアイスで制覇してみるなんていうのも夢の企画かもしれませんね!

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