前回、タコの産地の広島県三原市の合格祈願「オクトパス絵馬」を取り上げましたが、今回は、その三原市にある、縁起が良いと呼ばれるスポットをご紹介します。それが瀬戸内海の海中に建つ鳥居なのだそうですが、なぜそこにあるかは謎のままなんだそうです。全国的には知られていませんが、新年にはたくさんの人々で溢れかえっていたとか。
三原市須波の海中に建つ鳥居
広島県で海に建つ鳥居といえば、ユネスコ世界遺産に登録されている宮島があまりにも有名。しかし、広島県にはもうひとつ、小規模ながらも瀬戸内海に建つ鳥居があるのです。それが今回紹介する、三原市須波にある朱色の鳥居。JR呉線 須波駅から徒歩10分ぐらいでたどり着きます。
こちらが最寄り駅の須波駅。無人駅です。
駅をまっすぐ海側に歩くと国道185号にぶつかります。
この国道を左折(三原市街地方面へ)し、瀬戸内海を右手に見ながら道なりに歩いていきます。
ずんずん、ずんずん。
遠目に赤いモノが見えてきました!さらに近づくと、朱色の鳥居らしきものが!
訪れた日は干潮で「海中に建つ鳥居」というムードには欠けていましたが、満潮時にはなんとも神秘的なのです、この鳥居。
鳥居は国道をはさんだ稲荷神社にゆかりあるものだと思われます。
ここには稲荷大明神のほか、道祖神が祀られ、地元の人たちからは「子授け」と「喉」の神様として信仰を集めています。しかし、海中の鳥居については、ほとんど文献が残っていません。
地元の人に話を聞くと「海沿いに建っとるし、海の安全を祈願したんじゃないかと思うよ。昔は船が人々の足がわりじゃったけんね」とのこと。
そして、この海中に建つ鳥居は実はご来光スポットの名所でもあるのです。残念ながら、私はこちらでご来光を拝んだことはありませんが、2016年1月1日午前5時前、山陰に行くため、ここをクルマで通りがかったのですが、国道沿いはすでにクルマがぎっしり!噂には聞いていましたが、新年にこんなに多くの人が訪れる場所だったとは。
運がよければ神秘的な海霧がたなびき、鳥居の向こうに新年初の太陽が顔をのぞかせ、ご来光が拝めるのだそうです。
ちなみに、知り合いの写真家さんで広島の絶景を独自の感性で切り取る堂河内幸雄さんによる神秘的な
(堂河内さんのフェイスブックのアルバムには、
「鳥居越しのご来光」という、縁起の良い写真を撮影するため、一眼レフや望遠レンズを携えた本格的なカメラを持っていた方が目立っていました。
この海中に建つ鳥居のある須波は、尾道と「安芸の小京都」といわれる竹原の中間地点にあり、先日紹介した「うさぎの島」こと大久野島(竹原市)のある忠海駅から2つ目の駅が須波駅です。
全国的にはほとんど知られていないけれど、瀬戸内の縁起のよい場所の1つといえるかもしれません!
- image by:御田けいこ
- ※掲載時の情報です。内容は変更になる可能性があります。