世にも珍しい「空気」を信仰の対象にした、山形県朝日町「空気神社」

ご神体はどこにもないもの

とはいえ、空気には色も形もない。どのように表現するのかと頭を悩ませました。その結果、設計デザインコンペを開催して、全国から募集しようということに。環境問題が盛り上がっていた時期で、空気神社やの存在を日本中に発信できる機会だとも考えたのです。空気神社のネーミングも功を奏して、マスコミ各社も一斉に取り上げてくれました。

集まった作品51件の中から選ばれたのは、東北工業大学建築学科助教授(当時)の谷津憲司のステンレス鏡板を中心とした作品。「神社だからといって、お稲荷さんみたいなものではだめだ今までにないものでないとだめだ」というのが、審査に携わった人たちの考え。この作品はそれにぴったりでした。

毎年6月には空気神社の祭礼が催されます。今年の祭礼は6月3日(土)~5日(月)。地元の子供たちが巫女さんになり、周りの風景を映した鏡面の上で舞い踊ると、地下殿が音響効果を発揮して、大きな打楽器になるとか。

image by: Asahi自然観
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空気神社には神主はいません。普段は静かな森の中で、静かに山の風景を映し、山の音を響かせています。でも、祭礼には全国から大勢の観光客も訪れます。自然の中の厳かな祭礼を一度は見てみたいものです。

【平成29年度 空気まつり開催日】
6月3日(土)・4日(日)・5日(月/朝日町空気の日)
山形県西村山郡朝日町白倉745-1
Tel.0237-83-7111
空気神社 / Asahi自然観 / 朝日町エコミュージアム

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