これ全部、70代のおじいちゃんの手作り。青森県おいらせ町の巨大ガンダム

2時間半かけて青森県のおいらせ町へ

ある日、編集部から不思議な依頼が来ました。

「72歳のおじいちゃんが手作りしたというガンダムの取材記事」

ちょっと待って、意味がわかりません。

添えられたお店の情報を見ると、同じ青森県内ではありますが、太平洋側の上北郡おいらせ町にあるようです。


なお、筆者はどちらかと言えば日本海側内陸の弘前市に住んでいます。間にはあの八甲田山があるので、高速道路を走っても2時間半以上かかります。

いやいやいや、いつも書いている田んぼアートの田舎館村はお隣だからすぐだけど、これは遠すぎますって!

しかし、うちには父親の影響でガンダム大好き小僧になっている息子(小2)がいます。話をすると、目をキラキラさせて「ガンダム、見たい!!」とのこと。そんなわけで、家族3人でドライブがてらガンダム見物に行ってきました。

のどかな上北の風景に突如あらわれるガンダム!

東北自動車道からみちのく有料道路を経由して、広々とした田畑の風景を眺めながら農道を走ります。

広々とした田畑の風景をドライブ

交差点の向こうに青く太平洋が見えます。ナビはここを左折して国道338号線を走るように指示してきます。

太平洋が見える交差点を左折して国道338号線へ

交差点を曲がってほんの200mほどで、突如現れるガンダムカット!

ここが噂のガンダムカット!

このガンダムカット「スズキ理容」さんの敷地に、3mはゆうにありそうな巨大モビルスーツ群が並んでいました!

初代ガンダムと赤いシャア専用ザクに挟まれる筆者

なお、筆者は女性としては長身で173cmありますが、このガンダムたちの腰ぐらいまでしかありません。

せっかくなので、全天球カメラで撮影した画像をご覧ください。グルグルと回して360度ご覧になれます。

青森県おいらせ町、スズキ理容さんの手づくりガンダムコレクション! #theta360 – Spherical Image – RICOH THETA

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作っているのは「スズキ理容」のご主人ただ一人

撮影にあたって許可をいただこうとお店の中に入ったら、金色の頭部が!

入口に鎮座している金色の頭部

その後ろのガラスケースには、プラモデルがたくさん並んでいます。

入口のショーケースに並ぶプラモデルたち

「すいませーん、写真撮らせてもらってもいいですか?」と呼びかけたところ、気さくなご主人が「どうぞどうぞ」と対応してくれました。

ガンダム像を製作しているスズキ理容の鈴木さん

ちょうど、新作のパーツの寸法を、フィギュアから割り出す作業をしておられたそうです。

アカツキのプラモデルを元にパーツの計算中

お店の奥のスペースは、もはや工房。

店内でパーツの製作中

この製作をしている鈴木敏美さんは昭和19年生まれの72歳。おいらせ町で生まれ育ち、父親から継いだ理容店を経営しながら、趣味でガンダム像を作られているそうです。

特にガンダムマニアということではなく、元々は胸像などのレプリカを作っていたのですが、何か大きいものをという時にガンダム作りを始めたとのこと。

60歳からガンダムを作り始めて12年間、製作はほぼ一人で行っているそうです。

初期の作品(初代ガンダムとシャアザク)はコンクリート製。
これは発泡スチロールで型を取ってコンクリートを流しこんで作っていましたが、その後、発泡スチロール製でも自立できることがわかり軽量化。

今は発泡スチロールにゴムを塗り、塗装をするスタイルになっています。

小学生の息子が気にいったのは、こちらの赤いサザビー2017年夏の現時点では最新作です。

サザビーとガンダムヘッド

また冒頭で紹介した「ズゴッグ」の足の塗装がはがれている部分を見ると、発泡スチロールにゴムを塗って着色しているということが実感できます。

ズゴックの足

国道338号線に面して立ち、警護しているかのようです。その背後にあるガンダムの頭、ひときわ目立つ存在感がありますが、裏に回ってみると意外過ぎる作りになっていました。

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