ワイルドで儚くて…そしてディープ。私が西表島にハマった3つの魅力

大自然に息づく生命力を体感

近年のエコツーリズムブームで、西表島の森や滝を訪ねるネイチャーツアーも人気が高まる一方ですが、この島の真髄は、なんといっても海と山両方の大自然が相互に寄り添うように存在し、そしてそれがダイナミックなパワーを発していることです。


©西表島モンスーン

島のすぐそばには石西礁湖と呼ばれる我が国最大の珊瑚礁の海域が広がり、そこには400種を超える造礁さんごが生息しています。

ちょっと沖へ出て、海の中を覗いてみれば、様々な形で宝石のように輝く、さんご畑や、悠々と泳ぐウミガメたちの姿に出会えます。グレートバリアリーフまで行かなくても、日本にこんな素晴らしい竜宮城があることを一体どれだけの人が知っているでしょうか。

そして、この圧倒的に独創的で生命力に満ちあふれた海とジャングルとを結ぶのがマングローブの川です。海水と淡水が入り混じるマングローブの川は島の生命力の宝庫

ヤシガニよりも断然美味と言われるご馳走ノコギリガザミや、大きいものでは直径10cmにもなるジレナシジミなど、珍しい生き物がいっぱいで、川の上流には大ウナギも生息します。

島人は昔からマングローブの川を使って海と山とを自由自在に行き来し、その恩恵に預かってきたのです。

大小様々な魚たちが戯れる海の世界で遊び、そのままマングローブの林の奥に湧く天然水のシャワーを浴びに行くのが西表流。船でちょっと渡れば無人島が点在し、どこもかしこもプライベートビーチ。贅沢極まりない大自然です。

八重山といえばその風景にサトウキビ畑を思い浮かべる人も多いと思いますが、西表島ではパイナップル畑の風景も島の風物詩。夏には、島中に甘い果汁が香るほど、驚くほど甘くてジューシーなパイナップルやマンゴーがあふれます。

そして、毎年11月15日から2月15日まで狩猟解禁となるのがカマイ(イノシシ)猟。現在のように食物が流通する前、イノシシは島の人々にとって貴重なタンパク源で、昔からテッポウは使わずワナを仕掛ける狩猟法で獲られています。

特別な道具は一切使わず、イノシシの通り道に穴を掘ってワイヤーを張り枯葉をかぶせて隠すというもので、ガジュマルやツルアダンなど亜熱帯の植物が鬱蒼と生い茂るジャングルの森を手でかき分け、道なき道にかすかな獣道の跡を見つけてワナをしかけるという、とんでもなくシンプルでワイルドな猟法です。


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