名シェフもうなる有田焼の魅力。佐賀県が目指す世界に通用する器作り

「日本の陶磁器の産地といえば」と聞くと、きっと様々な答えが返ってくるはず。愛知県の瀬戸焼に岐阜県の美濃焼、京都府で作られる京焼や長崎県は波佐見焼などなど思い浮かべるのではないでしょうか? 全国47都道府県ほとんどすべての地域に、1つ以上はご当地の陶磁器があると言われています。そんな中、経済産業大臣指定伝統工芸品にも指定される有田焼の産地・佐賀県では、伝統産業・有田焼の新しい可能性を見つけるプロジェクトが実施されています。

器と料理の究極のマリアージュ!それは器の上で食材が踊るよう…

新しい取り組みの一つとして行われているのが、世界で活躍するシェフや料理業界の関係者と連携し、有田焼を一流の料理人が使用する「プロユース食器」として展開するプロジェクト「プロユース・プロジェクト」です。

その第1段として行われたのが、器と料理の究極のマリアージュをテーマとしたフードイベント『DINING OUT ARITA with LEXUS』。佐賀県有田町で9月12日~14日の3日間限定で実施されたこのイベントでは、有田焼の窯元7社とフランス料理界を牽引する台湾出身のスターシェフ アンドレ・チャン氏による、器とフランス料理の共演が披露されました。キャンドルを灯した幻想的な野外レストランで供された料理の数々は、芸術家志望だったというチャン氏らしい、革新的で個性的な食材の組み合わせ。

一つひとつの料理に合わせ最適な器を一からつくり上げるという企画にあわせ、チャン氏が佐賀県の食材を使って生み出した10品が、その1品だけのための特別な有田焼で供されました。

『共生~昆布のクリスプ、鮑とその肝』板づくりが特徴的な「瑞峯窯」の器
『ユニーク~スイートコーン、アーモンド、西洋わさび』外側は自然、内側が人工と表情が対照的な「徳幸窯」の器
『ソルト~いか、穀類、海草』有田の山々や棚田など自然の地形を表現した「福珠窯」の皿

「想像を超えるものばかり。アートの世界としか言いようがない」「料理と器が融合していた。こんな革新的な取り組みがあるとは驚き」など、参加者も驚きもひとしおだったようです。

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