山車が爆発。350年の歴史を持つフィレンツェの復活祭、今年は4月1日

イタリアの春の重要な祭事といえば「Pasqua(パスクワ)」です。フィレンツェでは、街の象徴「ドォーモ(サンタ・マリア・デル・フィオーレ大聖堂)」で、350年の歴史を誇る大切なイベントとして盛大に祝されます。今回はそんな華やかなフィレンツェの「パスクワ」をご紹介します。

イタリアの復活祭・パスクワ、今年は4月1日に開催!

日本語では復活祭、英語ではイースターと呼ばれる、イタリアの“Pasqua(パスクワ)”ですが、開催日は変動します。復活祭はその名前の通り、キリストが十字架に吊るされ処刑された3日後に復活した日を示し、その年の復活祭(パスクワ)の日程は「春分の日を過ぎた最初の満月の日の次の日曜日」に祝日とされます。今年、2018年のパスクワは4月1日(日)に催され、その翌日はPasquetta(パスクエッタ)と呼ばれ、祭日となります。パスクワのイベントはそれぞれのイタリアの街で催されますが、このパスクワとパスクエッタの二日間は祝日となり、イタリアの人々は教会、もしくはそれぞれの家族でパスクワを祝うため、店仕舞いをしているお店が多くイベント開催後は静寂に包まれます。

伝統的なフィレンツェのパスクワ

ユネスコの世界遺産にも登録されているトスカーナの中心の街「フィレンツェ」。そして、フィレンツェの象徴「ドォーモ」は、ドォーモを囲むようにフィレンツェの街は栄えています。「ドォーモ」の正式名称はサンタ・マリア・デル・フィオーレ大聖堂で、1296年から約140年の歳月をかけ建築され、その大聖堂の天蓋(クーポラ)はその独特な設計技術と壮大な創りで人々を魅了し続けています。

フィレンツェのパスクワの祭典は約350年に始まったものとされ、今もなお毎年このドォーモで開催されています。その伝統的で厳かなパスクワの式典はフィレンツェの人々によって大切に保持し続けてきた貴重なもので、毎年世界各国から多くの観光客が訪れ、人々を魅了しています。

みどころは山車の爆発

フィレンツェのパスクワに欠かせないのが山車で、この山車に火が灯される式典がこのフォレンツェのパスクワの最大のみどころです。 この式典は「Scoppio del Carro(スコッピオ・デル・カッロ)」(山車の爆破)と呼ばれ、ドォーモの広場に運ばれた高さ約10mの山車が、大聖堂の祭壇からワイヤーにつけられた鳩(機械)に火が灯され、山車の爆竹や花火に点火し爆破します。教会の鐘とともに、約20分にも及ぶその式典の爆竹の音や花火は想像以上の迫力です。

この山車は当日の朝、フィレンツェの街の中心地から伝統的なフィレンツェのコスチュームに身を包んだ鼓笛隊などの行列と共にドォーモに運ばれます。また、スコッピオ・デル・カッロに使用される聖火は前日の夜に、同様の鼓笛隊の行列とともにサンティ・アポストリ教会からドォーモの祭壇まで運び込まれます。パスクワの前日の夜からフィレンツェの街の伝統を感じることができます。日本人には馴染みが薄い、復活祭(パスクワ)ですが、キリスト教を重んずるイタリア、そしてフィレンツェならでは風情豊かな街並みで祭事される厳かな儀式は見応えたっぷりです。

開催期間:2018年4月1日
会場:イタリア・フィレンツェ市内

Photo: Manami Takahashi

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