那覇市から車を約1時間30分走らせ、たどり着いたのはうるま市にある離島・浜比嘉島(はまひがじま)。ここ最近、沖縄のパワースポットといわれるようになったこの浜比嘉島は、琉球開闢の神様伝説が伝わっています。今回は、神秘的な空気に満ちた島の聖なる場所を探索してみました。
ことのはじまりは東京から那覇に着いた夜、ふらりと訪れた沖縄郷土料理店でのこと。テビチを食べていたら、鳥取からの旅人と相席になりました。その方と沖縄の秘境であり聖地ともいわれる浜比嘉島について話すうちに意気投合し、「では、レンタカーを借りて行きましょう」ということになりました。
そして2日後、私たちは那覇市内でレンタカーを借りて、浜比嘉島を目指しました。
途中、沖縄本島と平安座島を結ぶ全長4.7kmの海中道路を渡って浜比嘉大橋を抜けると、そこには周囲7kmのこじんまりとした浜比嘉島がありました。この海中道路が、絶景の中を走り抜けていく爽快感あふれるドライブを提供してくれます。
沖縄の離島の一つ、浜比嘉島に到着
浜比嘉島で最初に出くわしたのは道路を我が物顔で歩くニワトリ。
島には人の気配がほとんどありません…。というのもこの島の人口は500人に満たないのです。
さて、この島がなぜ聖地といわれるのか。それは琉球開闢のアマミチューとシルミチューの夫婦神、2神が暮らしたとされる洞窟やアマミチューのお墓があることから聖地といわれるようになりました。その他にも沖縄の信仰に基づく祭祀などを行う御嶽(うたき)もあります。
夫婦神が暮らしたシルミチュー霊場
島の南方面に車を走らせて「シルミチュー霊場」へ。ここはアマミチューとシルミチューの夫婦神が暮らしたところといわれています。
鳥居をくぐって階段を上がっていきます。訪れる人は誰もなく、緑が深く、静けさがどこまでもたなびくなか、たどり着いたところにあるのは洞穴でした。この洞穴で夫婦神は暮らしたといわれています。
洞穴のなかには霊石が安置され、崇拝の対象になっています。この日は洞穴の柵に鍵がかかっていたので外から眺めただけでしたが、比嘉公民館で鍵を借りると中に入って参拝することもできます。ちなみにここは琉球を創った夫婦神が子どもを授かったという伝説に基づいて、子宝を願う人たちがよく訪れる場所なんだとか。
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