神が降臨した島。沖縄うるま市の離島「浜比嘉島」に旅人が惹かれるワケ
続いて訪れたのは、ムルク浜
ムルク浜は、透明度の高い海、白砂の美しいビーチという沖縄ならではの美しい浜です。 実はこの日、沖縄は海開きしたばかり。
「プライベート感のあるこの浜で泳げたら、さぞかし楽しかろ〜よ」と、水着を持ってこなかったことを少々うらめしく思ったりしました。ちなみにムルク浜では海水浴をはじめ、シュノーケリングなどのマリンスポーツも楽しめるそうです。
ムルク浜で癒されたあとは、アマンジという小島へ行ってきました。ここはアマミチューのお墓がある場所です。今はコンクリートの道が渡されていますが、昔は干潮の時だけ渡ることができたそう。
小島を囲むように、ボッティチェリの描いたヴィーナスの貝殻を大きくしたような造形を思わせる奇岩が海からニョキッと生えていました。ここが聖域であることを物語るような神秘的な造形。
渡ってきた道路の反対側には洞窟があります。その一帯がアマミチューのお墓です。
ここでは毎年お正月になるとノロ(祝女)を中心に、五穀豊穣や無病息災、子孫繁栄などをを祈願する祭祀が行われています。この小島の海の向こうには、さっき通ってきた浜比嘉大橋が見えます。
テクノロジーの結晶である大きな橋と人工的なものは何もない聖なるアマンジは、その存在が対極にあるような気がしました。琉球開闢という果てしない昔、ここにはどんな風景が広がっていたのでしょうか。
アマンジを後にしばらく車を走らせると「東の御嶽(あがりのうたき)」と書かれた看板が見えました。なんとなーく「呼ばれてる!?」と感じたもので、車を降りて小道を進んで行くと…
そこに広がっていたのはガジュマルの大木が作りだす別世界でした。生命力のみなぎるガジュマルの枝や幹、根っこまでもが縦横無尽に伸びています。
ガジュマルが天をさえぎり、緑の薄闇を作りだしているこの場所は、個人的に島の中で一番聖なる空気を感じたところでした。
東の御嶽では旧暦の6月28日と8月28日に「シヌグ祭り」が行われます。この祭りは海のシケから土地の人々を守るためのもので古くから続く伝統行事です。
浜比嘉島は半日もあれば、聖なる場所をいくつも巡ることができます。今回は日帰りでしたが、島内には「ホテル浜比嘉島リゾート」をはじめ、宿泊場所も何箇所かあります。また次回訪れることがあれは、ぜひ泊まってみたいと思いました。きっと泊りがけで訪れると、知られざる「島の顔」をいくつも見ることができるような気がします。
- image by:御田けいこ
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