アフタヌーンティーだけじゃない。英国社会に根付くちょっと意外な「外食事情」
旅の楽しみの一つは、現地のグルメを堪能すること。同じように考える旅人は少なくないでしょう。国内はもちろんのこと、バリエーション豊かな食を体験できる海外旅行では、現地のグルメ情報は必ずチェックしておきたいところです。
そこで今回は、イギリス在住のライターによるちょっと意外な「外食事情」をご紹介。イギリスといえば「アフタヌーンティー文化」のイメージが強いかと思いますが、メルマガ『出たっきり邦人【欧州編】』にて語られたのは、英国社会に根付く国際色豊かなグルメについて。それでは早速見てみましょう。
ちょっと意外かも?イギリスの国際色豊かな「外食事情」

大半の欧州諸国の冬の風物詩といえば、日照時間も短く、どんより曇った天気で下手をするとお天道様を拝めない日々かと思われます。
これに反してロンドンはエンタメ業界も活発で、長い夜も楽しめる要素が多くあるため、他の欧州諸国よりは過ごしやすいのかもしれません。こういった要素の一つに「グルメ」も上げることができます。
人により感性は異なりますが、ロンドンの外食事情は豊かと言っても過言ではありません。お茶自体をティー文化として昇華させてアフタヌーンティーを楽しんだり、日曜日に振舞われるロースト、日常的なパイなど伝統料理でも注目に値するものがあります。

また、多様性社会であることゆえに多くのエスニック要素がブレンドされ、英国社会に多国籍料理が強く根付いています。
一例として挙げるなら、インド料理のキーマカレーなどはスーパーマーケットを含めどこに行っても入手できるほどで、どれだけ一般化しているか体感できます。また、フィッシュアンドチップスだけでなく、ケバブなどの中東料理も身近な存在です。変わりどころではアフリカ料理も堪能できます。
さて、外食に話しを戻しますと、エスニック要素が強い英国社会では、伝統料理だけに偏らない外食産業が発達しています。世界各地から移住してきた人々により持ち込まれた食文化が英国でも尊重され、多種多様な食事をレストランで楽しむことができます。

その一つの指標となりそうなのはフランス企業ミシュランの評価によるミシュランレストランの数ではないでしょうか。発表された2025年版によれば、ロンドンには星付きレストランが85店舗あります。そして新たに12店舗が星付きレストランとなりました。
その一方、5店舗が星を失いましたが、このうち3店舗は閉店によるもののため、質が落ちたというわけではなさそうです。
世界で最も星付きレストランが多く存在する東京には及びませんが、欧州ではトップのパリに次ぐ評価ですので、その充実さには目を見張るものがあります。新たに星付きとなったレストランにはビーガン専門店である「Plates London」のほか、韓国料理店「Dosa」も加わっています。
発表時期が微妙に異なるため、多少の数値の違いがあるかわかりませんが、ちなみに国別では、英国は165店舗で8位。これはロンドン以外で星付きレストランが少ないことを反映しています。
上位7位は、フランス、日本、イタリア、ドイツ、スペイン、米国、中国となっており、欧州の中でグルメで知られるフランスやイタリア、スペインが入っているのは当然ですが、ドイツが4位にあることは意外な発見でした。

コロナ禍を発端とするインフレにより外食も気軽にすることができなくなりつつありますが、「OpenTable」などのアプリを使えば、評価の高いレストランでもセットメニューをお得にいただくことができます。お得感はないもののグーグルからも予約することができます。
一流ホテルにあるレストランなどはほぼ正装に近い形で訪れる必要がありますが、有名店でも街中にあるところはカジュアルに訪れることができます。

テレビ番組「Hell‘s Kitchen」で名をはせた英国出身シェフのゴードン・ラムゼイさんはロンドンでも28店舗を運営しており、まだ2店舗しか行ったことはありませんが、懐にも優しく手ごろに行ける店舗もあるので、ぜひお試しください。
- ゴードン・ラムゼイさん運営レストラン
- Restaurants & Bars | Gordon Ramsay Restaurants

また、英国には別の有名シェフのジェイミー・オリバーさんがいます。イタリア料理など手軽にダイニングできるものが中心ですが、食育にも力を入れており、料理教室なども開催するなど、エンジョイしながら料理を楽しむことができるのでおすすめです。
そのほか、移民が多いことからお国柄を感じられる料理をロンドンのあちこちで楽しむこともできます。ロンドンを訪れる機会がありましたら、世界を体験するために少し冒険してみませんか?
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