宮城の野趣あふれる巨石露天風呂。日帰り温泉「まほろばの湯」

以前、TRiP EDiTORでは「外国人の夏休み旅行で人気急上昇のエリアランキング」を紹介しましたが、堂々の第1位に輝いたのが宮城県でした。中でも蔵王連峰の「御釜(おかま)」というエメラルドグリーンに輝く風光明媚な火口湖は人気を集めています。今回は、蔵王連峰のふもとにある「遠刈田(とおがった)温泉」の外国人にもよく訪れるといわれているスパリゾート「まほろばの湯」をご紹介します。

大自然の中に小京都の風情漂う一角が出現

遠刈田温泉は、1601年開湯、400年あまりの歴史を持つ温泉地です。標高330mの高原にあり、信仰登山の基地や湯治場として知られ、ホテルや旅館、ペンションなどが約70軒ほどがあります。泉質はナトリウム、カルシウム、硫酸塩などで、神経痛、リウマチ、胃腸病、婦人病、慢性皮膚病などに効果があるといわれ、2014年度には「にっぽんの温泉100選」に選ばれた名湯です。

幹線道路から一本道路を入り、しばらく車を走らせると、閑静な緑の木立ちの中に趣きある日本家屋群が見えてきます。真っ先に目につくのが、ほかほかの湯気の立った足湯。一帯は古くからの温泉別荘地「蔵王苑(ざおうえん)」で、その苑内にあるのが全室露天風呂付離れの「星灯りの宿別邸」と「星灯りの宿まほろば」です。

「星灯りの宿別邸」は全室石露天風呂付きの離れです。重厚な門の中にあり、宿泊客以外は残念ながら入ることができませんが、京町屋をイメージした建屋が並び、情緒あふれる雰囲気。客室には、本格的な茶室の雰囲気を醸し出す簾天井など日本の伝統建築の粋を極めたしつらいで、自然素材が織り成す優しい空間となっています。蔵王石をくりぬいて造った野趣あふれる巨石露天風呂が満々と湯を湛える様子は、心洗われる風景です。

隣接して、日帰り温泉「まほろば」、古民家食事処「くぬぎ庵」、割烹会席料理・旬味「まほろば」、炭火焼肉「まほろば」などが立ち並んでいます。ここは、いわゆるB&B(ベッド・アンド・ブレックファスト)スタイルとなっています。朝食のみを提供し、宿泊客は好みの食を楽しめるようにしているのです。

これらの施設は、建築業に長年携わり、世界中を旅してきたというオーナーが温泉文化を核とする人々が集い、憩える理想郷づくりに着手したことに始まります。2013年オープンしたのが日帰り温泉「まほろばの湯」です。「まほろば」とは、素晴らしい場所、住む人の心の美しさを表す言葉で、ネーミングを決めるため一般公募を行ったところ、1000通を超える応募があり、「まほろばの湯」が選ばれたそうです。その後もオーナーの夢はますますスケールアップ、「星灯りの宿まほろば」に続き、2017年7月には「星灯りの宿別邸」も開業しました。

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