長崎にもあるランタンフェスティバル。今も残る中国文化を辿ってみた

中国大陸がもたらした、お菓子や麺文化

長崎の中華街や寺町、中島川沿いには中華菓子と呼ばれる中国由来のお菓子が製造販売されています。長崎では「よりより」と親しみを込められて呼ばれる「麻花(マーファ)」と言われるお菓子は小麦粉を練って油で揚げた、中国天津の銘菓でもあります。

この「よりより」以外にも白ごまをまぶした「金銭餅(きんせんぴん)」や「月餅(げっぺい)」など、中国由来のお菓子が長崎では楽しむことができます。

また日本三大うどんの一つでもある五島列島に伝わる「五島うどん」は、ツバキ油を使って製造した少し細めのうどんです。

実はこのうどんの製法は浙江省温州市永嘉にある「索麺/素麺」の製造工程と酷似していて、遣唐使が日本本土に到着する際の最後の中継地であった五島に伝えたとの説があります。

私も実際に浙江省永嘉の「索麺」の製造工程を調べたのですが、五島の製造方法と殆ど同じ。異なる点はツバキ油など油を使わない点、日本のように麺自体を食べやすい長さにカットしない点、麺の細さが五島うどん以上に細い点でした。

中国では長いまま麺を茹でて食べることで長寿を祈る「長寿麺」と呼ばれる文化があるため、カットしていないで完成させるようです。

長崎には今現在も残る行事・文化や建築物、食べ物を調べただけでも、中国との繋がりがふわっと香ってきます。当時の市民生活に中国の影響は強烈なインパクトを残し、長崎市民が上手く生活に取り入れていたたからこそ、今の長崎にも残っているのかも知れません。

また長崎には中国人の墓地があり、中国駐長崎総領事館と長崎市民ボランティアが協力して毎年清掃活動を行い、聖福寺等のお寺と福建省のお寺とは今現在も交流が続いており、今も昔も長崎と中国とは強い繋がりが続いているのでした。

  • image by:今道剛
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