日本には優れた温泉地、温泉宿がいろいろとあります。江戸時代に作られた温泉番付を筆頭として、全国の温泉をさまざまな切り口でランキング化する試みが昔からありますが、その評価制度の1つとして、日本温泉協会の天然温泉表示制度をご存じでしょうか。
現在でこそ廃止が決定されており、2005年以降、評価自体の更新は行われていませんが、学識経験者などが厳格に評価した指標であるため、温泉宿選びにおいて大いに参考になる情報の1つになります。そこで今回は日本温泉協会の天然温泉表示制度で「オール5」の評価を得た、全国の温泉旅館・ホテルを紹介したいと思います。
日本温泉協会による天然温泉表示制度って何!?
「オール5」を獲得した施設を紹介する前に、日本温泉協会による天然温泉表示制度について、少し詳しく紹介しましょう。もともと同制度は、日本温泉協会が会員施設の使用する温泉を「本当に天然温泉なのか?」と、利用者に分かりやすく表示するために1976年にスタートしたところから歴史が始まります。2000年に制度の見直しが行われ、2003年から2005年にかけてのテスト期間を経て、新制度がスタートしました。
初代制度は天然温泉だと認められた場合、会員施設に天然温泉表示マークの使用を認めてきました。しかし、
鹿沢温泉・・・紅葉館
群馬県の谷川温泉は群馬県の北部にある温泉地で、
下部温泉・・・古湯坊 源泉舘
〇長野県
小谷温泉・・・山田旅館
〇新潟県
貝掛温泉・・・貝掛温泉
山梨県の石和(いさわ)温泉は、県庁所在地である甲府の東にある場所で、果樹の栽培が盛んな土地ですよね。
川棚(かわたな)温泉は、まさに本州の最西端、響灘に面した下関市豊浦町にある温泉街で、種田山頭火も永住を切望したという場所になります。
九州・沖縄地方で「オール5」を獲得した旅館・ホテル
最後は九州・沖縄地方で「オール5」を獲得した旅館・ホテルになります。
〇長崎県
雲仙温泉・・・名湯の宿 雲仙いわき旅館
〇大分県
長湯温泉・・・大丸旅館
雲仙温泉はその名の通り、国立公園にも指定される雲仙岳の南西にある温泉地ですね。江戸時代の初期に開湯され、明治時代に入ると、
<シーボルトやケンペルの紹介で外国人も多数訪れる>(『全国温泉大辞典』(旅行読売社)より引用)
湯治場、避暑地として発展した歴史があると言います。現在でも一大温泉観光地として知られていますよね。
長湯温泉は「温泉県」、大分にある有名な温泉地で、国立公園にも指定されるくじゅう連山の東側に位置します。
<国内でも有数の炭酸含有量>(『全国温泉大辞典』(旅行読売社)より引用)
という特徴も知られています。
ちなみに温泉街にある温泉宿と言った感じではありませんが、大阪府堺市にある、天然温泉&カプセルホテル コパーナという天然温泉付きカプセルホテルも、なんとオール5の評価を得ています。
宿泊コストを抑えつつ最高の温泉を満喫したい場合は、真っ先に利用したいカプセルホテルと言えそうですね。
以上が、日本温泉協会によって「オール5」の評価を受けた旅館・ホテルになりますが、既に足を運んだ経験のある宿はありましたか?制度そのものは廃止に向かって動いていますが、上述した温泉地や宿は、現在でも温泉ファン・秘湯ファンから極めて高い評価を受けている場所ばかり。とにかくいい温泉のある宿やホテルに宿泊したいと思ったら、ぜひとも上述の宿をチョイスしてみてください。
- 参考
- 日本の温泉データ 日本温泉総合研究所
- 天然温泉表示制度の概要 日本温泉協会
- 新しい天然温泉表示看板について 日本温泉協会
- 温泉表示に関する実態調査について 公正取引委員会
- 平成30年度会員総会議案書(2018年6月6日) 日本温泉委員会
※掲載時の情報です。内容は変更になる可能性があります。
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