世界屈指の文化都市・京都を舞台に、毎年春に開催されている国際的な写真祭「KYOTOGRAPHIE 京都国際写真祭」。国内外の重要作家の貴重な写真作品やコレクションを、歴史的建造物や近代建築の空間に展示しています。回を重ねるごとに好評を博し、2018年春に開催された第6回までに約56万人が来場したそうです。
そして2018秋、「KYOTOGRAPHIE(キョウトグラフィー) 」2018での展示の一部が、スペシャル・エディション「TOKYOGRAPHIE(トウキョウグラフィー)」として、2018年10月26(金)から12月25日(火)までの期間、東京を巡回することになりました。国内外で活躍する気鋭のアーティストの作品を東京で体感できる貴重な機会となっています。
新たな京都を楽しめる「KYOTOGRAPHIE」とは
実は筆者、友人のすすめもあって、この春は京都まで赴き、このKYOTOGRAPHIEを鑑賞してきました。展示会場が京都市内に点在しており、著名作家の作品をはじめ、普段入ることができない施設や、いまや廃墟となった建物での展示など、どれもがその作品の世界観と展示会場が絶妙にリンクし、ただ単に作品を観るだけにとどまらず、まさに作品を“体感”する構成に興奮を覚えるほどでした。
また、観光や、もしかすると京都在住の人でもあまり訪れないような場所でも展示されているので、ガイドブックにはない京都の街歩きを存分に楽しむことができました。来春の写真祭が楽しみでなりません。
でもその前に、この秋、貴重なアート作品に触れ、いつもと違う「東京」を体感しながら、スペシャル・エディションのTOKYOGRAPHIEを楽しみたいと思います。それでは、今回のTOKYOGRAPHIEの見どころを紹介していきます。
東京を体感する「TOKYOGRAPHIE」
「KYOTOGRAPHIE 2018」は、「UP」をテーマに、国内外の気鋭のアーティストの新作や貴重なコレクションを発表しています。そのテーマも引き継ぐ「TOKYOGRAPHIE」では、オープニングプログラム(2018年10月26〜11月8日)にて、日本を代表するアーティストである深瀬昌久や林道子、関健作による展示がFUJIFILM SQUAREにて行われました。
2012年に他界した深瀬昌久の展覧会「総天然色的遊戯」では、「KYOTOGRAPHIE 2018」のメインプログラムの一つとして開催された深瀬の国内初回顧展「遊戯」を、カラー写真というコンセプトの下に再構築しています。
林道子は、狼にまつわる民話や伝承の視覚化を試み、静謐(ひつ)かつ臨場感あふれる作品「Hodophylax 〜道を護るもの〜」を展示。
関健作は、「GOKAB 〜HIPHOPに魅了されたブータンの若者たち〜」を展示。若者の目に見えない葛藤や心の揺れなど、被写体の内面が浮かび上がるような力強い写真作品に、被写体自身のグラフィティが施されています。
また今回は「KYOTOGRAPHIE 2018」会期中に好評を博した「こども写真コンクール 2018」の入賞作品展「UPはどこ? Which way is Up?」も、FUJIFILM SQUAREを巡回するとのこと。
また見どころが多い本展、ぜひ押さえておきたいのがメインプログラムです。開催期間と共にその内容をご紹介します。
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