島国で狭い日本ですが、食に関してはそれぞれの地方や地域独特の料理や味があります。その味や料理を求めて、各地を回るグルメ好きも少なくありません。では、実際に地域による料理や味の志向の違いはどのようなものなのでしょうか。
この度、日本能率協会総合研究所が全国の男性・女性、そして主婦を対象に「味の地域差に関する調査2018」を「料理編」「味嗜好」に分けて実施しました。さっそく、この調査結果をご紹介します。
家庭料理以外の外食など嗜好が広がる
まず、「料理編」です。好きな料理のジャンルについて尋ねたところ「店で食べる手軽な洋食」「ファミリーレストランの料理」「ファーストフード店の料理」などの気軽な外食を好む人が、2005年から2018年の13年間で10ポイント以上増加しました。
地域で見てみると、特に北海道、北陸・新潟から四国、そして九州で増加しています。和食を中心とした家庭料理以外の外食などに嗜好が広がっています。
また、5ポイント以上増加したのは「洋風の家庭料理」、「店で食べる手軽な和食」、「店で食べる手軽な中華料理」となっており、好みの多様化が進んでいることがわかりました。
好きなメニューは「にぎり寿司」が10地域中9地域で1位
「好きなメニュー」の地域別ベスト10を集計したところ、「にぎり寿司」は日本中のどの地域でも7〜8割程度の人が好きと回答しており、10地域中9地域で1位でした。一方、2位以降は地域差が顕著に出ています。
また、「ラーメン」は北海道をはじめ東北や北関東・甲信で4人に3人以上、「お好み焼き」は関西をはじめ中国や四国で3人に2人が好きと答えています。それぞれ今回回答したご当地グルメがある地域ですね。
「焼きそば:ソース味」が全国区で人気
次に「好きな中華・和風めん類」について調査したところ、「焼きそば:ソース味」が全国区で人気であることがわかりました。また、ラーメンは北海道では「みそ味」が人気で、東北や北関東・甲信、そして首都圏では「しょうゆ味」が、九州では「とんこつ味」が人気になっています。
一方、うどんは関西や四国で「温かいうどん:関西風かけ汁」が7割以上の支持を得ており、四国では「ぶっかけうどん」や「冷たいうどん」も人気でした。やはりここでもご当地グルメにも見える地域性が現れていますね。
地域独自の基本調味料は減少。地域差は薄れる傾向に
次は「味嗜好編」です。まず、よく使う基本調味料を聞きました。その結果、その地域独自の味を作るための基本調味料が減少しており、地域差は薄れる傾向にあることがわかりました。愛知の「豆みそ」は1997年から2009年の12年間7割台でしたが、2009年から2018年の9年間では大幅に減少し、5割を切っています。
「淡口しょうゆ」や「麦みそ」が減少傾向に
最後は「好きな味・風味 上昇ベスト5」です。阪神圏特有の「淡口しょうゆ」は1997年から2018年の21年間で7割半から4割台と大幅に減っています。また、「麦みそ」は1997年の5割弱から、岡山・広島では2018年にも3割を守っています。しかし、福岡では2018年に1割半まで減少しました。
輸入調味料など多種多様な調味料を使い、外食の機会も多い現代は、ご当地グルメを代表とする地元の味、地域差が薄れる傾向にあるのではないでしょうか。しかし、その地域でしか味わえない料理や味は今後も変わってほしくありませんね。気になるご当地グルメがあるのなら、いますぐにもで出かけてみることをおすすめします。
source:@Press!
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