外国人が溺愛する「ニンジャ」文化、日本人はちゃんと説明できる?

東京、大阪、京都、富士山など、ゴールデンルートと言われるエリアには本当に外国人観光客を多く見かけるようになりましたよね。その客足はゴールデンルート以外の地方エリアにも広がっていて、2020年の東京オリンピック・パラリンピックまでには、さらに勢いは増していくと予想もされています。

そうなると、外国人旅行者と何らかの形でコミュニケーションを取り、当たり前すぎて気にも留めないような素朴な疑問を不意に投げかけられる瞬間もあるかもしれません。そこで今回は外国人に大人気の「侍」と「忍者」について、素朴な疑問をまとめてみました。

素朴な疑問その1:どうして侍はチョンマゲなの?

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世界を旅している最中に、「チョンマゲはどのようなときにするの?」と、驚くような質問を受けた経験があります。現代でも日本人はチョンマゲを結っていると信じている外国人も、中にはいるみたいですね。もちろん現代人はチョンマゲを結いませんが、素朴な疑問として何で侍はチョンマゲを結っていたのでしょうか。上手に外国人に説明できますか?

侍のチョンマゲと言えば、つむじのあたりまで青々とそり上げ、後頭部で髪を結いあげるスタイルが思い浮かびますよね。『日本人なら知っておきたい 武士道』(河出書房新社)を読むと、このチョンマゲは侍(武士)の戦に関係しているのだとか。

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江戸時代の侍こそ、幕末を除いて戦はしていませんが、本来であれば武士はかぶとを被って戦場に繰り出します。剣道をたしなむ人であれば容易に予想がつくように、かぶとの中は蒸れ、髪の毛が邪魔になるとの話。そこで、

他にはアクセスの良さで言えば、東京の赤坂にある『NINJA AKASAKA』。こちらはスタッフとして忍者が働いており、上級の忍者はゲストに妖術のようなマジックを披露してくれます。

外国人ゲストが殺到している観光地で言えば、金沢にある『妙立寺』も楽しいです。忍者に会えるわけではありませんが、同寺は通称「忍者寺」と呼ばれるように、落とし穴、隠し階段など仕掛けの数々が設けられています。拝観は予約が必要ですが、ガイドの引率でお寺の巧妙なトラップの数々を説明してもらえます。

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金沢はかつて加賀藩の拠点でしたが、加賀、滋賀県の多賀、三重県の甲賀と伊賀、奈良県の賀名生(あのう)、和歌山県の雑賀(さいか)など、賀がつく地名を結ぶと1本の線になり、その秘密のルートを「忍者の道」と呼んだという話も『忍者図鑑』(ブロンズ新社)に書かれています。加賀には伊賀忍者軍団「偸組(ぬすみぐみ)」の話もありますし、大藩としての歴史を誇る金沢も忍者と深い関係を持った土地なのかもしれませんね。

妙立寺 image by: 金沢市観光協会

以上、侍と忍者に関する素朴な疑問をまとめてみましたが、いかがでしたでしょうか?どちらも英英辞典に「samurai」、「ninja」と掲載されるくらい世界的に知られた言葉。しかし、意外に当の日本人が素朴な疑問を理解していない場合もあるはずです。いつ海外の旅行者に質問されるか分かりませんから、上述の知識を頭に入れておくといいかもしれませんね。


  • 参考
  • 武光誠『日本人なら知っておきたい武士道』(河出書房新社)
  • 『江戸から明治維新に学ぶ 武士道』(エイ出版社)
  • 黒井宏光『忍者図鑑』(ブロンズ新社)
  • 山田雄司『忍者の歴史』(角川書店)
  • 英文はネイティブスピーカーのチェックが入っています

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