まるで地下神殿。栃木「大谷資料館」でRPGの世界感にどっぷり浸る

縦の溝のほかに面に形成された円弧状の溝も、丸鋸のあとなのでしょう
石柱。人の大きさと比較すると、その巨大さが際立ちますね。この巨大な石柱が、地下空間の神殿感を高めています

この大谷資料館の地下採掘場跡は、手掘りから機械掘りへの遷移に触れることができるという点でも、貴重な場所だと思います。運搬機器が発達していない時代には、80kgから150kgもある大谷石を人が背負って運び出していたということには驚きました。

祭壇でしょうか?遠くの上層部から覗き見ることができます。神殿のシンボルのような雰囲気です
坑内の平均気温は、年間通して約7度だそうです(この日は4度)。天然の冷蔵庫として冷蔵物の貯蔵庫にも使われていたことがあるそうです

同施設はこうした歴史的な事柄を学びながらの見学はもちろんですが、目の前に広がる幻想的な空間を眺めるだけでも十分に楽しめる場所ではないかと感じました。

また、ここ大谷に関しては栃木県に特化した旅行代理店「えにしトラベル」において、地下採掘場跡に水が溜まることで出来上がった地底湖をクルーズするというツアーなども行っているので、そうした方面からでも、大谷の歴史に触れることができると思います(なお、えにしトラベルで探索する地下空間と大谷資料館の地下空間の関係は不明です)。

壁に付着している白い物は、石の華と呼ばれるものです。大谷石に含まれる塩分が、冬場の感想した時期に噴き出る現象だそうです。夏場には消滅してしまうため、この時期限定で見られます。
採掘場跡に併設されている資料スペース。手掘り時代から機械掘り時代までの採掘機器や、大谷石を使った産品の展示があります

また、2019年1月31日までの間、期間限定で教会ゾーンの特別公開が行われています。ここ数年、クリスマスシーズンから年明けにかけて同イベントを開催しているようですが、今後も同じように公開が行われるかは不明なので、機会があれば、一見しておくと良いと思います。

なお、地下採掘場跡内では三脚や一脚の使用が禁止されていますので、撮影の際には、ルールを守るようにしてくださいね。

大谷資料館入口前の露天掘り跡。僅かに見える車のサイズから、その巨大さが分かると思います

また大谷資料館の地下採掘場跡は、野球場がまるごと入るほどの広さの空間であるとされていますが、実際には、もっと広いように感じられます。

順路が定められているため迷うことはありませんが、自由に歩き回って良いと言われた場合には迷子になる可能性が高いように感じました。ところどころに立ち入り禁止区域が設けられているため、決して入っていかないようにしましょう。

併設されているカフェ。大谷石で造られた小物などの販売もされています
  • 大谷資料館
  • 栃木県宇都宮市大谷町909
  • 028-652-1232
  • 大人 800円、子ども(小・中学生)400円、未就学児 無料
  • 休館日:4月から11月 無休/12月から3月 毎週火曜日(火曜日が祭日の場合、翌日)
  • 開館時間:4月から11月 9:00~17:00(最終入館16:30)/12月から3月 9:30~16:30(最終入館16:00)
  • http://www.oya909.co.jp/
  • そのほか詳細は公式HPよりご確認ください。

※掲載時の情報です。内容は変更になる可能性があります。

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