2013年にユネスコで無形文化財として登録された「和食」。
もちろん和食だけが無形文化財に登録されているわけではなく、2010年にはフランスの美食術、メキシコの伝統料理、地中海料理なども登録されています。
日本と同時期にはグルジアの伝統的なワイン作り、韓国のキムジャン文化(キムチを漬け込み、多くの人で分かち合う文化)も世界遺産に登録されましたが、和食が世界で支持されメジャーになっていくほど、どんどん現地化されていていくというトレンドも生まれてくるはずです。
現に寿司は、アメリカなどで世界遺産の登録前から独自の変化を続けており、筆者も「キャタピラロール」などイモ虫の形を模したすしを見かけた覚えもあります。
そこで今回は世界で独自に変化した和食をいくつかまとめてみました。
フランスで独自に進化した「焼き鳥」
日本貿易振興機構(ジェトロ) 農林水産・食品調査課が2013年に行った『日本食品に対する海外消費者意識アンケート調査』には、各国で人気の和食が国別で紹介されています。
その中でフランス人に人気の日本料理メニューも明らかになっていますが、なんと寿司を抜いてフランスで最も人気のあるメニューは焼き鳥。
米フォーブスの記事「The Japanese Food Boom Shows No Sign Of Slowing Down」でも、兼ねてフランスで人気だった現地流の焼き鳥としてfromage-yakitori(フロマージュヤキトリ)という言葉が紹介されていました。
何かと思って調べてみると、the most trendy skewers of the moment(今最も人気の串焼き)と、2012年のフランスのレシピ本に情報が出ていました。
焼き鳥と言いながら牛肉をチーズで巻いた「焼き鳥」で、フランス人が自分たちになじみのある料理法でアレンジした料理だと言います。
もちろん、日本流の焼き鳥をそのまま出す人気店もパリなどの大都市にはたくさんありますが、人気の和食は一方で現地流にアレンジもされていくのですね。
「今夜は自家製の焼き鳥!」
「焼き鳥ビーフを試してみました」
「焼き鳥ビーフチーズおいしいいいいいい!」
このようなツイートが見受けられました。
焼き鳥がオリジナルの進化を遂げているのはなんだか不思議な感じですが、日本の定番料理が海外で親しまれているのはとても嬉しいですね。続いては、台湾で進化した日本食をご紹介します。