「地球のへそ」と呼ばれ、オーストラリアきっての観光名所となっている「エアーズロック」。正式名称は「ウルル」という、大自然が作り出したこの芸術に、一生に一度は登ってみたいと思っている方も多いのではないでしょうか。
実は、2019年が登頂へのラストチャンス。エアーズロックへの登頂は2019年の10月26日をもって完全に禁止される運びになっています。
今回はあと数カ月間のみ登頂が許されているエアーズロックの魅力に迫ってみましょう。
先住民族にとっての聖地「エアーズロック」
エアーズロックと呼ばれる巨大な一枚岩は、オーストラリアのちょうど中心にあります。映画やドラマのロケ地としても知られており、オーストラリアの観光マップには必ず登場します。
上に突き出している部分は実は一部分で、地中に遥かに大きな岩が埋まっているというのも驚きですね。
周囲約9km、高さは300mを越す巨大な岩は神々しささえ感じる佇まい。実際にこの地に訪れた人にしかわからない感動を与えてくれる、地球の大きさを身をもって感じられる場所として、世界中から人々が集まります。
現在、イギリスの探検家によって付けられた「エアーズロック」という名が浸透していますが、正式名称は「ウルル」といいます。
オーストラリア自体は1901年のオーストラリア連邦をはじめとした比較的新しい国ですが、ウルル周辺には1万年以上前からアボリジニと呼ばれる先住民の方々が生活を営んでいました。
アボリジニたちはこのウルルを聖地として崇め、神聖な場所として扱っています。現代の私たちが見ても美しさと同時に少し恐ろしさを感じるほど迫力のあるウルルは、アボリジニたちにとっても同じだったことがわかりますね。
古くからアボリジニたちのものだったウルルですが、イギリスの植民地となった時代に周辺の土地と一緒に取り上げられ、独立後もしばらくはオーストラリア政府所有のものとなっていました。
しかし、1983年に再びアボリジニの元に返すと言う決定が下され、同時にオーストラリアにウルル周辺の土地をリースする、そして観光資源として活用し得た収入をアボリジニに支払うと言う契約が交わされました。
私たちがいままでウルルに登頂できたのは、国の管理下にあったためです。
しかしアボリジニたちにとっては神聖な土地であるウルル、そのウルルに登ると言うのは以前から一部のアボリジニたちにとって、快いものでなかったといわれています。
観光客がどれだけ行儀よく登ろうと、やはりそこは聖地。ウルルに対する思いを外部の人間がすべて理解するのは、なかなか難しいのが現実です。そしてアボリジニたちの訴えにより、2019年10月26日に無期限での登頂禁止が決定したのです。
ちなみにこの10月26日は、エアーズロックを含む「ウルル=カタジュタ国立公園」がオーストラリア政府からアボリジニたちに返還された日で、2019年で34年目となります。
2019年のいまがラストチャンス。エアーズロックに登るには?
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