日本人にとっておふくろの味と言えば、何を思い浮かべますか?ある民間調査によると、肉じゃがや煮物、みそ汁、カレーライス、卵焼きなどが挙げられると言いますが、このおふくろの味、世界ではどのような料理が挙げられるのでしょうか?
そこで今回は北米のカナダで「おふくろの味」とは何かを現地の人たち20人以上に取材してきました。カナダと言えばメープルシロップのイメージが強いかもしれませんが、いくつか情報が挙がってきましたので、次のカナダ旅行ではぜひとも口にしてみてくださいね。
日本とは違う?カナダ人が思う「おふくろの味」のイメージ
最初に断っておきたいのですが、日本とカナダでは国土の面積も歴史も全く違うため、日本でいう国民全体が納得できるような「おふくろの味」が、カナダでは必ずしも見つからないという現状があります。
「カナダ人にとってのおふくろの味は?」と聞くと、カナダ西部にあるバンクーバー在住のカナダ人も、カナダ最大の都市であるトロント在住のカナダ人も、カナダ東部にあるモントリオールやケベック・シティに住む人たちも、少し首をかしげるようなリアクションを返してきたケースが多かったです。では果たしてどんな料理があるのでしょうか?
チーズとポテトの絶品グルメ「プーティン」
ただ、その中でも共通して挙がってきた料理のひとつが、プーティン。70代のカナダ人男性によれば、若いころは存在しなかった料理のため、家庭料理や「おふくろの味」とは言えないと反論がありましたが、若い世代のカナダ人であれば、外食だけでなく家庭でもプーティンをよく食べて育ったと教えてくれました。
家庭によって味付けも若干異なると言いますから、まさに卵焼きやみそ汁に相当する「おふくろの味」と言っても、間違いではなさそうですね。
プーティンとはカナダ東部、ケベック州発祥の料理で、誕生の瞬間は諸説あるとケベック在住の人も語っていました。フライドポテト(フレンチフライ)に独特の歯ごたえがあるチーズカードを混ぜ、グレイビー(肉汁)ソースをかけて食べる軽食。一流レストランからファストフード店、家庭内に至るまで、カナダ全土で愛されている食べ物ですから、現地に訪れたら一度は試してみてくださいね。
家庭によって肉の種類が違う「ミートパイ」
次は年配の男性を中心に、何人かの人が挙げてくれた家庭料理になります。特にカナダでも東部にあるケベック州ではトルティエールと呼ばれるミートパイが伝統料理に挙げられて、家庭でも子どものころ食べたとケベックの人(ケベコア)が教えてくれました。
家庭によってパイに詰める肉の種類が違うとかで、「おふくろの味」と言えばミートパイだろうと断言するカナダ人もいました。
ちなみにこのミートパイ、現地で味わいたければ、ケベック州の州都ケベック・シティの旧市街地にある有名なレストラン、「Aux Anciens Canadiens」で看板料理として食べられます。
カナダの中でも美食の国、フランスの影響が色濃く残るケベック州は、同国の中でもやはりグルメのレベルも高い様子。同店は1675年に建てられた歴史ある建物に入るレストランで、配膳スタッフのユニフォームもキュートです。観光の際には、ぜひとも立ち寄ってみてくださいね。
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