スペインとの国境近くに位置する、ポルトガルの「モンサラーシュ(Monsaraz)」は、標高約300mの高台にある村です。
ポルトガルで最も美しい村のひとつといわれており、日本でも同村で撮影したCMが話題となりました。しかし、アクセスが悪いため観光客も多くなく、かつ村人も少なく静かであるため「沈黙の音が聞こえる村」の別名を有しています。
かつて城塞があったため村は城壁に囲まれており、中世の面影が色濃く残るモンサラーシュ。
リズボン近郊のオビドスなど、モンサラーシュに似た様な雰囲気を持つ村はいくつかありますが、それらに比べると観光客も少ないため、運が良ければ美しい通りや眺めを独占できるかもしれません。
そこで今回は、まだまだ知名度が低く穴場スポットといえるモンサラーシュの魅力とアクセス方法をご紹介していきます。
観光の目玉のひとつ「モンサラーシュ城」は必見
美しい景観を有するモンサラーシュの目玉のひとつが、村の南に位置する「モンサラーシュ城」です。
この城や村を囲む城壁の起源はレコンキスタの時代まで遡り、以降ポルトガルの王や騎士達によって13世紀ごろにかけて防衛力強化のために塔やバービカンが増築され、村を囲む城壁は16世に完成したといわれています。
石灰岩の石畳とモルタルで作られたシンプルな城ですが、堅固に佇む様子は中世の雰囲気を彷彿とさせる造り。現在、城の武器庫だった場所は、イースター時期と9月に開催される「村の闘牛祭り」の闘牛場になっています。
城壁からのパノラマビューを楽しむ
城や闘牛場の見学もワクワクしますが、この城の真骨頂は城から見える景色です。城壁や少し高くなっている場所に登ってみてください。
北には家屋の白壁が輝くモンサラーシュの村や、南東にはスペインとの国境にもなっている巨大なアルケヴァ湖の美しい景色が広がっています。
天気がいい日の城からのパノラマビューはまさに絶景。城からの眺めも大変いいですが、村の外から城を眺めるのも周囲の木々と白の重厚感が相まって壮観ですよ。
心安らぐ「湖の聖母教会」
ヨーロッパの各国には、小さな村にでも見応えある教会があります。
モンサラーシュも例外ではなく、小さな村内にいくつも教会が点在しており、そのなかでも代表的なのが「ノッサ・セニョーラ・ダ・ラゴア教会」です。こちらは通称「湖の聖母教会」と呼ばれる教会で、現在の建物は16世紀ごろに建てられました。
正面両端の鐘楼と外壁には石畳のラインが入っておりハイセンス、そして教会を後ろから見るとイスラム建築の様な外観を擁しています。
内部には小規模ながらも豪華な金色の聖壇が。また、身廊にある聖母マリアの礼拝堂は湖をイメージしたような水色の背景と赤の祭壇などで彩られており、見ると心が安らぐ独特の雰囲気をかもし出しています。
入口横にはこの村の最初の入植者で番人でもあったゴメスの石棺が鎮座。壁のところどころには印象的な絵画も飾ってあるので、ぜひ村歩きの際には立ち寄ってみてくださいね。
同教会は、4月から9月までは9:30〜12:30、14:00〜18:00まで、10月から3月の間は9:30〜13:00、14:00〜17:30が開放時間となっています。