日本を訪れる外国人旅行者はますます増加の一途を辿り、日本政府観光局(JNTO)の発表によれば、2018年の訪日外国人観光客数は過去最高の3,119万人を記録しました。
外国人観光客によるインバウンドの消費は、日本の消費を支える規模にまで急拡大していますが、実際にどのような場所でショッピングを楽しんでいるのでしょうか。旅行者によるSNSの投稿から消費の傾向や人気の地域を探る調査が行われました。
この度、株式会社RJCリサーチと株式会社ナイトレイの2社共同により、旅行者によるSNSの投稿から消費の傾向や人気の地域を探る「インバウンドレポート2018」が発表されました。
これは外国人観光客がTwitterやInstagramをはじめとするSNSで、日本国内滞在中に発信した投稿のうち、約8万件のSNS解析結果データを集計対象としています。
投稿内容における位置情報・テキスト・画像の有無などから判明した、もっとも支持されている場所はどこなのか?早速、その結果をご紹介します。
外国人観光客の支持するスポットは?USJ、ローソン、築地市場が1位に
今回の調査では、投稿の発信地点となった全国の観光スポットを「観光・レジャー」「ショッピング」「グルメ」の3つの部門に分けてランキング化。
さらに、投稿者の国はアジアを「東南アジア」「東アジア」に分け、アメリカやその他の地域と比較し、2014年から7割も増加しているといわれている東南アジア訪日客の動向が、より詳細に分析されています。
観光・レジャー部門では以下のように、日本の3大テーマパークが上位にランクインしました。
- 第1位 ユニバーサル・スタジオ・ジャパン(R)
- 第2位 東京ディズニーランド(R)
- 第3位 伏見稲荷大社
- 第4位 東京ディズニーシー(R)
- 第5位 大阪城
注目は、地域別ランキングの「アメリカ」においては「USJ」は上位入りせず、27位にランクインしている点です。
エンターテイメント大国のアメリカは「ユニバーサルスタジオ」の本拠地。日本には未上陸の最先端アトラクションもそろっており、日本のUSJでは物足りない可能性もありますね。
しかし、日本のアニメをはじめとする日本文化を多くパーク内に取り入れていることもあり、外国人観光客にとっては外せない観光名所であることも間違いないようです。
また第3位という高ランクに登場している京都の伏見稲荷神社は近年、外国人観光客の人気が急上昇している注目の名所です。
人気のポイントは真っ赤な「千本鳥居」にあるようで、日本ならではの神秘的な光景に心を奪われる人が続出しているとのこと。加えて、拝観料が無料という点も大きな注目を集めることに。
国内スポットをいくつも回る予定だと、段々とかさんでくる拝観料がかからないというのは、魅力的なポイントですよね。
- 第1位 ローソン
- 第2位 ドン・キホーテ
- 第3位 ダイバーシティ東京プラザ
- 第4位 錦市場
- 第5位 ポケモンセンター
ショッピング部門では、東アジアからの旅行客が「ローソン」を大きく支持し、数あるコンビニチェーンを抑えて堂々の1位に登場しました。
空港への出店、Alipayサービスの全店導入など、訪日外国人対策の効果が大いに表れていると考えられ、SNS投稿量スコアが非常に高くなっています。
2位のドン・キホーテは、あらゆる品ぞろえや華やかな雰囲気が、お土産選びの場所として大人気となっているようですね。
- 第1位 築地市場
- 第2位 一蘭
- 第3位 スターバックスコーヒー
- 第4位 黒門市場
- 第5位 マクドナルド
グルメ部門では、すべての国・地域において「築地市場」が1位にランクインしました。
日本食といえばお刺身、お寿司…と、魚料理を思い浮かべる観光客が行きたい場所として人気を集めていますが、10月に行われた豊洲市場の移転に伴い、12月にSNS投稿量スコアは大幅に減少。
移転後である今後、観光客の流れがどのようになっていくのかが注目されています。
SNSの投稿から分析された今回の結果。東南アジアと東アジアはランキングの傾向が似ていることが読み取れ、東アジアからの旅行者に人気のスポットは、今後は東南アジアからの観光客にも人気になることが予想されています。
「SNS映え」という言葉も定番化した現在、新たな観光スポットの誕生にも期待が高まりますね。
- source:@Press
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