田植えの時期を終えれば、各地の田が緑となり、稲の成長にともない緑も色合いを変えてゆき、黄金色で収穫期を迎えますね。そして山の多い日本では、山の斜面を利用して階段状に水田を広げていく棚田が数多くみられます。
棚田は水を張ったシンっとした状態から青々と生い茂り、やがて黄金色へ。そして稲を刈りとったあとの土の色と、季節ごとにさまざまな表情を見せてくれます。いまの時期ならば、緑の絨毯がギュッと敷き詰められているころですね。今回はそんな四季の移ろいを楽しめる、日本国内の美しい棚田をご紹介しましょう。
白米千枚田/石川県
石川県輪島市白米町にある「白米千枚田」は、水田一枚の面積は20平方メートルに満たない小規模なものですが、千枚田と呼ばれるように小さな田が多数作られています。
これらの数多くの水田が重なるように日本海に面する海岸まで続くさまは、まさに絶景。国指定文化財名勝にも選ばれています。また、世界農業遺産「能登の里山里海」の代表的な棚田となっています。
大山千枚田/千葉県
「大山千枚田」は千葉県鴨川市にある棚田で、多くの田が作られていることから千枚田と呼ばれています。森を切り開いたゆるやかな斜面、いっぱいに棚田が広がる光景はまさに壮観。東京からのアクセスの良さも魅力です。
日引の棚田/福井県
福井県高浜町・若狭湾内浦に面した斜面に開かれた「日引の棚田」は、ゆるやかな斜面に200枚以上の水田が広がっています。斜面の上からは、棚田、人家、内浦湾を一望できますよ。山と海が密接にかかわっている、日本の基本的な風景が広がります。
姨捨の棚田/長野県
長野県千曲市の「姨捨の棚田」は、水源となる更科川から取り込んだ水を張り巡らした暗渠を通じて供給することで、棚田を展開しています。このような仕組みにより、広々した棚田を実現、ほかの棚田にはない景観を実現しています。姥捨駅からの夜景も見事ですよ。
あらぎ島/和歌山県
和歌山県有田川町、清水地区の「あらぎ島」は、“島”といっても離島というわけではありません。有田川が蛇行してできた河岸に作られた棚田で、扇状に広がる独特なかたちが特徴です。
段差が低い棚田がパッチワークのように組み合わさるさまは非常に美しく、県内唯一の「日本の棚田百選」に選ばれるほど。さらに2013年には、周囲の景観を含め「蘭島および三田・清水の農山村景観」として国の重要文化的景観に選ばれました。
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