日本各地に点在し、人々の生活を支えてきた「橋」。その多くは鉄とコンクリートで作られたものですが、なかにはどこか懐かしい「木造橋」も多数残されています。
そこで今回は、いまなお活躍している美しい木造橋をいくつかご紹介していきます。
※本記事は新型コロナウイルス感染拡大時のお出かけを推奨するものではありません。新型コロナウィルスの海外渡航・入国情報および各施設の公式情報を必ずご確認ください。
鶴の舞橋/青森県鶴田町
津軽富士見湖に架かる、長さ約300メートル、幅約3メートルの橋です。三連太鼓橋では日本一長いのが特徴で、橋材に青森県産ヒバの1等材を使い、大小2つの休憩所があります。1994(平成6)年に完成しました。
橋は公園施設の富士見湖パークと丹頂鶴自然公園を結んでおり、丹頂鶴自然公園では、橋の名前通り丹頂鶴の姿を見ることができます。
桃介橋/長野県南木曽町
長さ約247メートル、幅約2.7メートルの木曽川に架かる橋です。石とコンクリートでつくられた主塔と木製の補剛桁を持つ橋で、1922(大正11)年に完成。
福沢諭吉氏の婿養子で、電力事業にたずさわり「電力王」と呼ばれた福沢桃介氏が架け、橋の名は彼にちなんだもので重要文化財に指定されています。
もともとは発電所建設のための資材運搬路でしたが、その後村道となり、現在でも地元の人が利用しています。
蓬莱橋/静岡県島田市
大井川に架かる橋で、1997年にギネスブックから「世界一長い木造歩道橋」と認定されました。
長さは897.4メートルであることから「やくなし=厄無し」「長い木=長生き」という、長寿を願うスポットにもなっています。
人道橋で、中学生以上の大人には100円の通行料がかかりますが、橋の周囲に駐車場ができるほどの人気観光スポットです。
流れ橋/京都府八幡市
木津川に架かる橋で、正式な名前は「府道八幡城陽線上津屋橋」ですが、通称のほうが有名です。
「流れ橋」という通称は、川が増水すると橋板が流れるように造られていることからきました。これにより橋脚への負担を減らしています。
長さ356.5メートルを誇る人道橋で、バイクと自転車は押して渡らなければなりません。ちなみに、1953(昭和28)年の架設から2019(令和元)年までの間に23回流されています。
錦帯橋/山口県岩国市
錦川に架かる木造五連のアーチ橋です。長さは橋面沿いで約210メートル、直線で約193.3メートル、幅は約5メートルを誇ります。
1637(延宝元)年に岩国3代領主の吉川広嘉が架けて以来、何度も架け替えを繰り返しながら木造橋としての地位を保ってきました。
中央の3連に代表される反り橋の構造は精巧なもので、現代の橋梁工学から見ても高いレベルにあるといわれています。
今回は全国各地の木造橋をご紹介してきましたが、観光スポットの定番もあれば、ツウでないと知らないような橋もありましたね。
とにもかくにも、行ってみたらまずは「橋を渡る」こと。そして人々が歩んできた歴史を体感してみてはいかがでしょうか。
- image by:photoAC
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