緑に彩られた築山や池に架かる橋。自然の姿を洗練された形で見せてくれる「日本庭園」は、日本の文化を代表する存在です。
そんな日本庭園といえば、国内にしかないと思われがちですが、実は海外にも日本人をうならせる庭園があります。
今回は、日本から最も近いヨーロッパであるロシアから、地球の裏側にあるブラジルまで「世界の美しすぎる日本庭園」をご紹介していきます。
※本記事は新型コロナウイルス感染拡大時のお出かけを推奨するものではありません。新型コロナウィルスの海外渡航・入国情報および各施設の公式情報を必ずご確認ください。
目次
- 1モスクワ/ロシア
- 2チャンディーガル/インド
- 3タシュケント/ウズベキスタン
- 4クリンゲンダール/オランダ
- 5コーンウォール/イギリス
- 6カイザースラウテルン/ドイツ
- 7シュチトニツキ公園/ポーランド
- 8ポートランド日本庭園/アメリカ
- 9日加友好日本庭園/カナダ
- 10カウラ日本庭園・文化センター/オーストラリア
- 11ブエノスアイレス/アルゼンチン
- 12クリチバ/ブラジル
モスクワ/ロシア
モスクワ初の大規模な日本庭園で、「モスクワ科学アカデミー植物園」の中にあります。
造園家の中島健氏たちがつくったもので、「池泉回遊式庭園」です。茶室、橋、雪見灯籠、それに十三層の塔がある本格的な作りが特徴。シャクナゲやサクラなども植えられており、モスクワの花見時の5月上旬には、花見客でにぎわいます。
チャンディーガル/インド
インド北部の都市であるチャンディーガルにも日本庭園があります。庭園は2つのエリアに分かれていて、第1エリアが2014年に、第2エリアが2016年にオープンしました。
こちらの日本庭園をつくったのはインド政府で、五重の塔や仏像がありますが、日本というより中国やインドを思わせる雰囲気が特徴的です。
ドラゴンのオブジェクトなどもあるので、一風変わった日本庭園の景色が広がります。現地に住むインド人にはとても好評のようで、人気観光スポットになっているのだとか。
タシュケント/ウズベキスタン
ウズベキスタンの首都であるタシュケントには、中央アジアで最も高い「タシュケントタワー」があり、日本庭園はその近くに位置しています。
地元の日本人会を中心としてつくられ、2001年に完成しました。蓮池、太鼓橋、築山、東屋、石庭がある正統派の日本庭園で、ウズベキスタン人にとってはデートスポットであると同時に、結婚写真撮影のフォトスポットとして人気があります。
クリンゲンダール/オランダ
オランダの都市ハーグにある「クリンゲンダール公園」の中にあり、オランダの国家遺産に登録されています。
苔むした庭の先には赤い太鼓橋が架けられ、その向こうには東屋があり、石灯籠や石仏も置かれています。ツツジやモミジなど、花や紅葉も楽しめるのも魅力のひとつです。
景観保護のため公開は年に2回のみ。5月上旬から6月中旬と10月の第3週と第4週で、合わせて年に約1カ月しか公開しません。
コーンウォール/イギリス
コーンウォールのニューキーという町にも日本庭園があります。こちらは日本文化に関心の深い地元のかたが、1991年につくりました。
サクラやモミジを植え、東屋を設けるなど本格的ですが、枯山水ではアレンジ気味なものも特徴です。また、盆栽に熱心なところもオリジナリティあふれる日本庭園となっています。
カイザースラウテルン/ドイツ
カイザースラウテルンはドイツ南西部の都市です。こちらは東京都の文京区の友好都市で、日本庭園は親善友好活動から生まれました。
開園は2002年で、ヨーロッパ有数の規模の日本庭園です。枯山水や築山などを持つと同時に、ムラサキブナの大木やユリノキがあります。
これはそれまであった公園の跡地に日本庭園をつくったためですが、違和感もなく、美しい景色が広がっています。
シュチトニツキ公園/ポーランド
ポーランド西部の都市であるヴロツロワにも日本庭園があり、近くには世界遺産に登録された「百周年記念ホール(Hala Stulecia)」があります。
蓮がうかぶ池には鯉が泳ぎ、朱色に塗られた橋が架けられており、橋の中ほどには東屋風の建物も。
まさに日本庭園という美しい景色が広がります。20世紀初めのコンクリート建築として有名な「百周年記念ホール」とあわせて眺めて、東西の文化の違いを実感するのも楽しみ方のひとつです。
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