川や海といった対岸を結ぶ「橋」といえば向こう側へ渡るためのもの。ですが、世界各国には美しき橋がたくさん点在しており、なかには写真を見るだけで楽しめる絶景スポットでもあります。
歴史と人智の創意工夫がこめられた橋は「渡れればよい」ではもったいないほど。そこで今回は世界の「美しき橋」をいくつかご紹介していきます。
※本記事は新型コロナウイルス感染拡大時のお出かけを推奨するものではありません。新型コロナウィルスの海外渡航・入国情報および各施設の公式情報を必ずご確認ください。
ポン・デュ・ガール/フランス
高さ約49m、全長約275mのフランス南部のガルドン川に架かる水道橋です。約2,000年前の紀元前1世紀につくられ、その後600年にわたって水を運んできました。
3層アーチという珍しい様式を採っていることや、高低差の少ない地形のなかで水を流したことに、古代ローマの建築技術のレベルの高さがうかがえます。
ミヨー橋/フランス
フランス南部の町ミヨーを流れるタルン川に架かる橋です。2004年に完成しました。地上から橋まで約270m、主塔の最も高い場所まで約343mあり、世界一高い橋といわれています。
ミヨー周辺の気候では霧が出やすいので、雲の上を走っているような気分になれることも。視界をさえぎるものがないので夕日映えしますし、ライトアップもよく見えるのが特徴です。
タワー・ブリッジ/イギリス
イギリスの首都ロンドンのテムズ川に架かる跳ね橋で、1894年に完成しました。現在でも、大型船からの要請があれば橋を開けています。
橋の開閉を見物するだけでなく、橋の上に架かる空中通路からの展望、タワーの中にある歴史博物館の見学など、楽しみどころ満載のスポットです。
カペル橋/スイス
スイス中部の街ルツェルンにある木造橋で、1333年の建造されました。現存するヨーロッパ最古の木造橋です。
全長約205mの橋の屋根と梁には、スイスの歴史や守護聖人を描いた板絵が約160枚飾られていました。
しかし1993年8月の火災で橋の大部分と板絵のほとんどが焼失。その後、再建と修復を経て、現在はかなり往時の姿を取り戻しているようです。
スィー・オ・セ橋/イラン
首都テヘランから南に340km、古都イスファハンを流れるザーヤンデ川に架かる2層アーチ橋です。長さは約300mで、1602年に完成しました。
「スィー・オ・セ」とは数字の「33」を意味しており、これは橋脚部のアーチが33個であることにちなんでいます。
さらに、橋脚部のアーチの上に3連アーチがあるので、合わせて約100個のアーチが並ぶ壮観さを表現。現在は車の乗り入れが禁止となっています。
ハージュ橋/イラン
スィー・オ・セ橋の下流に架かる2層アーチ橋で、長さは約133m。1666年に完成しました。
水門があり、ダムという実用的な役割を果たす一方で、橋の中央部のテラスや上層階のアルコーヴで市民に憩いの場を提供するなど多様な面がある橋です。ライトアップの美しさには定評があり、橋の外側からも内側からも楽しめます。
ダブルデッカー/インド
インド北東部のメガラヤ州ノングリアート村の近くにある「生きた橋」です。インドゴムノキの木根を誘導して絡み合わせ、それを橋にしています。
このような橋ができたのは、メガラヤ州は世界有数の多雨地帯で、普通の木造橋では腐るか流されてしまうからなのだとか。
ノングリアート村の近くには、この「生きた橋」が二重に架けられているところがあり、これがダブルデッカーです。下の橋が使えなくなったので、上に新しい橋を架けたそう。
伊良部大橋/日本・沖縄県
沖縄県宮古島市の宮古島と伊良部島を結ぶ「伊良部大橋」の特徴は、何といってもその長さ。全長3,540mもあり、日本の無料橋のなかでは最長です。
美しい海を眺めながらこの長い距離を延々と走る爽快さは、日ごろのストレスや疲れもいっぺんに吹き飛ばしてくれるほど。
「渡れればよい」で満足しない絶景の橋は世界各国に点在しています。なかには歴史を感じる古き良き叡智が集まった橋も少なくありません。新型コロナウイルス感染症の拡大が終息したころには、現地で実際にその美しさに触れてみたいですね。
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