関東人は知らない?懐かしき「アーケード商店街」に隠された謎と歴史

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観光地では各地の商店街に立ち寄ってみる

岐阜県の歓楽街「柳ヶ瀬商店街」kcomiida [CC BY-SA 3.0], via Wikimedia Commons

現在、さまざまな理由から、商店街の苦境が聞こえてきます。住宅が郊外に広がり、道路が整備されて、郊外のロードサイドにお店がたくさん建ち並んでいる現代。後継者を持たない店主が高齢になって廃業したり、住居と店舗を分けて暮らす店主が増えたりしているため、空洞化も起きています。

浜んまち商店街の愛称で親しまれている長崎「浜町アーケード」の思案橋
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この前、取材で石川県にある「金澤表参道」という商店街を歩いていると、「かつてここにはアーケードがありました」といった内容の立て看板を見かけました。この商店街も老朽化したアーケードの再建か撤去かで、かなりの議論があったと土地の人から聞いています。アーケードの維持はメンテナンス、清掃、修繕などのコストが継続してかかるため、屋根を思い切って撤去する商店街もあるのですね。

屋根を撤去すれば、特に雪国の利用者にとっては利便性が下がります。見た目の統一感、場の一体感も損なわれるとの声も。商店街そのものの集客力が下がり、さらに体力を奪われてしまうかもしれません。金澤表参道は雰囲気のあるお店が軒を連ねていますし、ロードヒーティングが導入されて雪が積もらないような工夫が新たに行われました。個性的で意欲的なお店も目立ちますので、一時期の衰退は底を打ったのかもしれません。

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しかし、地方都市にある他の商店街は待ったなしの状態で、例えば筆者の暮らす富山市にも中央通りというシャッター通りがあり、「ここのシャッター通り、えげつないね」と、商店街を歩く観光客が口にしていた光景を思い出します。まさに、消滅の危機にさらされている商店街が、たくさんあるのですね。

縦横に広がる愛知県「大須商店街」image by:dreamstory / Shutterstock.com

なくなってしまえば寂しい商店街。車などの交通手段を持たない旅行者からすれば、まちなかの商店街こそが身近な旅先のショッピングスポットになってくれます。

その意味では旅先の商店街は積極的に立ち寄って、地元の人と触れ合いながら買い物を楽しみたいですね。地方の商店街の生き残りに、ささやかながら貢献できるかもしれませんし、何か一生の思い出や予期せぬ人との出会いがあるかもしれませんよ。みなさんもぜひ旅先でアーケード商店街を見かけたらぜひ立ち寄ってみてはいかがでしょうか。

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