日本語って海外でどれくらい使えるの?通じる可能性が高い国5選
海外旅行中に日本語が通じる現地の人と出会うと、やはり心強いものです。初めて会った人であっても日本語で話せた瞬間、昔から友だちのような感覚にもなれます。
しかしながら、日本語を話す人の数は、英語や中国語、ヒンディー語と比べて、地球上でそれほど多いとはいえません。
もちろん、旅行の際には現地の言葉や文化を事前に学ぶ姿勢が大切です。でも、普段使わない言語に囲まれていると緊張が続くもの。だからこそ日本語を話す人と海外で出会ったときの喜びは、ひとしおなのです。
そこで今回は各種のデータと海外を渡り歩いてきた筆者の実体験を交えて、日本語が通じる人と出会う可能性が高い国をまとめてみました。
2020年8月現在は新型コロナウイルスの影響で海外旅行が叶わない状況ですが、コロナ収束後に海外旅行先を選ぶ際の、ひとつの判断にしてみてくださいね。
マレーシア
ある取材でマレーシア政府観光局のイベントに参加したとき、イベント後の食事会で、地位のある年配のマレーシア人が日本語で話しかけてくれたのです。
そのイベントに参加している日本人は筆者だけだったため、英語でお互いに自己紹介を済ませると、みなさん何か言いたそうな顔をしていました。笑顔で問いかけると、単語メインではありますが日本語で少しずつ話し出してくれてびっくり!という瞬間が何度もあったのです。
聞けば、マレーシアで現在高い地位を占めている年配の方々が若いころは、日本が「ジャパン・アズ・ナンバーワン」などと世界でいわれていたくらい、日本経済が絶好調だった時代だったといいます。
そのころマレーシアでは「遠い欧米よりも日本を見習え」と、将来有望な若者の多くが日本の大学へ留学をしたそうです。
筆者に声をかけてきくれた人たちも、国の観光業を引っ張る立場の方々ばかり。若いころに大学留学で学んだ日本語をまだ覚えていて、わざわざ日本語で話しかけてくれたのです。
先ほどの「2018年度海外日本語教育機関調査結果(速報値)」を見ても、マレーシアには4万人ほどの日本語学習者(義務教育の学校や語学学校で学習する人)がいるそう。
この数は、日本語教育を行っている142カ国のなかで10位。しかも2015年版の調査と比べて18%も伸びています。
マレーシアの人口は3,200万人ほど。これだと800人に1人ほどの計算になってしまうので、現実には通じるという印象をそこかしこで体感できるわけではありません。
しかし現在日本語を学んでいる世代と、若いころ盛んに日本へ留学をした世代を合わせると、もう少し通じる人の割合も増えるかもしれませんね。
インドネシア
インドネシアのなかでも国際的な観光地のバリでは、日本語が比較的通じるなと感じます。大きなホテル、お土産屋さん、タクシードライバーなど、観光関連の仕事をしている人は日本語に限らず外国語がとても上手です。
「2018年度海外日本語教育機関調査結果(速報値)」を調べると、海外で日本語を学校や語学学校で習っている人の多い国は、中国に次いでインドネシアが世界第2位。なんと70万人近くの人が日本語を習っているのだとか。
インドネシアの人口は2億6千万人と多いため371人に1人という割合になってしまいますが、日本人が盛んに訪れるバリなど国際的な観光地には、日本語を知る人も集まっている印象がありますね。
ちなみに最近、インドネシアからの留学生を受け入れる企業のお手伝いをしました。その留学生は現地の名門大学出身で、将来有望な青年です。その人に聞くと、インドネシア人にとって日本はいまでも、魅力的な留学先のひとつに見えるそうです。
一時期マレーシアからの留学が増えていた話のように、留学先として日本を目指したくなる国づくりを続けていけば日本に集まる外国人の方々が増え、その先には日本語でコミュニケーションが取れるシーンが増えるかもしれません。